「俺ガイル」の聖地、千葉パルコの閉店が決まる...
建物は古いけど味のあるファッションビル
日差しの強烈な平日の昼、スタッフはJR千葉駅に降り立った。駅前広場はバス停が1~27まであり、多くの市民で混雑している。
地域一番店は千葉そごう。本館と別館を合わせた営業面積は7万2850平米もあるマンモス百貨店だ。本館9階の三省堂書店の入口に市立図書館の返却ポストが設置されているのには少々驚いた。
駅前の大通りを真っすぐ進む。左手にヨドバシカメラと千葉三越が見える。実はヨドバシカメラの入っている建物は1993年までそごうが入っていた。店舗拡張のため移転したというわけだ。
千葉三越は元々ニューナラヤという名前で、地場系の奈良屋百貨店と三越が合弁でつくった店だ。1984年に三越に経営権が譲渡され現在に至る。
歩いて15分くらいで千葉パルコに到着。実は千葉駅からシャトルバスが5~10分おきに出ている。炎天下のなか歩く必要はなかった。
ちなみに千葉パルコのある場所は、地場系の田畑百貨店が営業していた。1971年の火災で全焼してしまったため、セゾングループと提携して再建したが、1976年に不振で閉店。同じ年に千葉パルコとして再オープンする。
また千葉パルコの後ろのタワーマンションの建っている所は、奈良屋百貨店~業態変更したセントラルプラザが営業していた血土地。
そして京成千葉駅は1958年までこの辺りに位置していた。総武本線がまだ東京駅に乗り入れていない時代、当時の中心はこっちだったのだ。
店内に入る。夏休みシーズンとはいえ予想以上に客の姿は多い。閉店を惜しむ声が相次いだのも当然と感じた。
人気店の1つが8階のヴィレッジヴァンガード。隣のホームクッキンヴィレッジヴァンガードはハンバーガーやタコライスを提供している。東京以外だと千葉パルコしか出店していない。
島村楽器、タワーレコード、ABCマート、人気ブランドのWEGO、GU、ローリーズファームなども出店している。
7月10日にオープンしたばかりの靴専門店もあった。店員に「残念ですね」と声をかけたところ、「もともと期間限定の出店ですから...」と彼は答えた。
7月31日の千葉日報ウェブによると、再開発が進むJR千葉駅ビルの開業など厳しい競合環境が見込まれることから、主要なテナントの賃貸契約満了に合わせ閉店を決めたという。
千葉市中心部はそごうの1人勝ちの状態だが、2018年春に全面開業する駅ビルは大きな脅威。
現在パルコで営業しているショップが駅ビルに移る可能性は十分あり得る。また千葉パルコは飲食店がやや物足りないが、ルミネやアトレに入っている有力テナントを誘致できれば、若い女性を中心に人気を集めるだろう。