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「俺ガイル」の聖地、千葉パルコの閉店が決まる...

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.08.09 06:00
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流通大手のパルコは、千葉店の営業を2016年11月末で終了すると発表した。理由は客数の減少にともなる採算割れ。1991年の売上高約230億円から約4分の1にまで減少していた。

千葉パルコ(編集部撮影)
千葉パルコ(編集部撮影)

アニメファンから悲嘆の声が

この発表のあった2015年7月31日以降、常連客とおぼしきツイッターユーザーから嘆きの投稿が相次いだ。
アニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(略称「はまち」「俺ガイル」)の舞台となり、巡礼者も出現するほどの聖地になっている。

1970~1980年代のファッションシーンを牽引したパルコは、全国に19店舗を展開している。営業利益は2期連続で過去最高を更新した。
2020年に向けた長期ビジョンは「都市マーケットで活躍する企業集団」。札幌、仙台、渋谷、池袋、静岡、名古屋、広島、福岡の8店を「都心店」と位置付け、とくに福岡パルコは新世代パルコ1号店として重点投資を行った。2016年春には仙台パルコ新館と札幌ゼロゲートの開業が控えている。
「都心型基幹店舗周辺および未出店政令指定都市を中心とした開発を推進する」。2014年の中期経営計画はそう書かれている。

千葉市も政令指定都市の1つ。テコ入れしてもいいくらいなのに、よもや撤退するとは――。衝撃を受けた編集部は千葉パルコへ向かった。

建物は古いけど味のあるファッションビル

日差しの強烈な平日の昼、スタッフはJR千葉駅に降り立った。駅前広場はバス停が1~27まであり、多くの市民で混雑している。

JR千葉駅前

JR千葉駅前

地域一番店は千葉そごう。本館と別館を合わせた営業面積は7万2850平米もあるマンモス百貨店だ。本館9階の三省堂書店の入口に市立図書館の返却ポストが設置されているのには少々驚いた。

千葉そごう本館

千葉そごう本館
本館9階の三省堂書店入口

本館9階の市立図書館返却ポスト。そういえば西武池袋本店の書店も三省堂になった。
別館のジュンヌ館。女性向けファッションブランド多し。

別館のジュンヌ館。女性向けファッションブランド多し。

駅前の大通りを真っすぐ進む。左手にヨドバシカメラと千葉三越が見える。実はヨドバシカメラの入っている建物は1993年までそごうが入っていた。店舗拡張のため移転したというわけだ。

大通りの案内板をもとに編集部加筆

大通りの案内板をもとに編集部加筆
ヨドバシカメラ千葉店

ヨドバシカメラ千葉店

千葉三越は元々ニューナラヤという名前で、地場系の奈良屋百貨店と三越が合弁でつくった店だ。1984年に三越に経営権が譲渡され現在に至る。

千葉三越

千葉三越

歩いて15分くらいで千葉パルコに到着。実は千葉駅からシャトルバスが5~10分おきに出ている。炎天下のなか歩く必要はなかった。

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千葉パルコ(編集部撮影)

ちなみに千葉パルコのある場所は、地場系の田畑百貨店が営業していた。1971年の火災で全焼してしまったため、セゾングループと提携して再建したが、1976年に不振で閉店。同じ年に千葉パルコとして再オープンする。
また千葉パルコの後ろのタワーマンションの建っている所は、奈良屋百貨店~業態変更したセントラルプラザが営業していた血土地。
そして京成千葉駅は1958年までこの辺りに位置していた。総武本線がまだ東京駅に乗り入れていない時代、当時の中心はこっちだったのだ。

1955年ころの千葉駅付近の線路図。今と駅の位置は異なる。

現在の地図に1955年ころの駅と線路を重ねた。

店内に入る。夏休みシーズンとはいえ予想以上に客の姿は多い。閉店を惜しむ声が相次いだのも当然と感じた。
人気店の1つが8階のヴィレッジヴァンガード。隣のホームクッキンヴィレッジヴァンガードはハンバーガーやタコライスを提供している。東京以外だと千葉パルコしか出店していない。

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島村楽器、タワーレコード、ABCマート、人気ブランドのWEGO、GU、ローリーズファームなども出店している。
7月10日にオープンしたばかりの靴専門店もあった。店員に「残念ですね」と声をかけたところ、「もともと期間限定の出店ですから...」と彼は答えた。

7月31日の千葉日報ウェブによると、再開発が進むJR千葉駅ビルの開業など厳しい競合環境が見込まれることから、主要なテナントの賃貸契約満了に合わせ閉店を決めたという。

千葉市中心部はそごうの1人勝ちの状態だが、2018年春に全面開業する駅ビルは大きな脅威。
現在パルコで営業しているショップが駅ビルに移る可能性は十分あり得る。また千葉パルコは飲食店がやや物足りないが、ルミネやアトレに入っている有力テナントを誘致できれば、若い女性を中心に人気を集めるだろう。

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建設中の千葉駅ビル

幕張新都心はインバウンド&ファミリー需要を強く意識

千葉駅から東京へ戻る途中、幕張新都心へ立ち寄った。駅前の「三井アウトレットパーク幕張」が、7月に改装を終えたばかりと聞いたからだ。

三井アウトレットパーク幕張

三井アウトレットパーク幕張

幕張新都心は、オフィスビルや大規模マンション、幕張メッセ、QVCマリンフィールドなどが集まる千葉の新都心。東京と成田を結ぶ高速道路の途中にあり、千葉市中心部より外国人観光客が立ち寄りやすい。

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今回の三井アウトレットパークの増床は、海外の有名ブランドと飲食店の誘致に力を入れている。国際的なブランドが入ることで、「ここなら安心して買い物できる」と外国人観光客が判断する目印になるのではないか。
実際、パーク内にいる客の4分の1以上は外国人だった。

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目を惹いたのはマツモトキヨシの新業態1号店。OUTLETと名前が付いているものの、店頭に並んでいる商品は新品だ。入口に「Tax Free」「5%off」と堂々と書いてあることからすると、外国人観光客を主なターゲットとしたいのだろう。

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少し離れた場所には、イオンモール幕張新都心やコストコも出店している。このうちイオンモールはショッピングだけでなく体験感動も提供するというのが売りで、ファミリー層を強く意識している。

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