セーブオン進出で埼玉の「群馬化」が進んでいる
関東・新潟・山形・福島の8県に展開しているコンビニチェーン「セーブオン」。本拠地は群馬県前橋市だが、次いで多いのが南隣の埼玉だ。
いまだ東京進出を果たしていない同チェーンだが、その勢力範囲を着々と南に広げている。
2015年6月下旬、埼玉県中央部を訪れたJタウンネット編集部。武州唐沢駅に向かう途中で偶然、セーブオンを見つけた。
建物の外観は上位チェーンと大差ないが、店内で発売している商品は「さすが群馬発祥」とうなる品揃えだった。その一部を紹介しよう。
埼玉で売っていた、たい焼き風ぐんまちゃん
越生上野店を訪れたのは17時過ぎくらい。威勢のいい人たちが続々と駐車場に車を停めて来店している。男性の割合が高いがヤンキー風の女性もいた。
店内を入って目を惹いたのがカウンターまわり。和洋菓子、コーヒー、タバコなどがずらり陳列されている。
たい焼きや揚げもちのりなど、おやつ系ファーストフード(FF)はワンコイン(100円)でお釣りがくる値段設定となっている。客も手を出しやすいのだろう。品切れの商品が多かった。
昨年のゆるキャラグランプリ1位に輝いた、ぐんまちゃんのたい焼きもあった。値段は税込み98円。2個買って食べることにした。
ぐんまちゃんをガブリとかじるのは忍びなかったが、中に詰まっていた小倉餡(あん)は滑らかで甘かった。常温保存されていて、少しだけ熱い。車で来店したファミリー客がおやつ系FFを食べる場合、通常の今川焼やたい焼きだと子供にとっては量が多すぎるケースが考えられる、その点で「おやつのぐんまちゃん」はちょうどいい量だと思った。
店内撮影も気軽に許可してくれた、愛想のいい店員に「東京から来たのですが、セーブオンをはじめて利用しました」と尋ねると、彼は別の店も進めてくれた。
「ウチの店は旧タイプなんですよ。近所に新タイプのセーブオンもあって、客はそちらに流れる傾向がありますね。時間があったら立ち寄ってみてはいかがですか。内装もオシャレでいい雰囲気ですよ」
新タイプのセーブオンも行ってみた
本当は自店で買い物してほしいはずなのに、『セーブオンの良さを知ってほしいから』とあえて近隣の店を勧める店員。その心意気に打たれ、約2.8キロ南にある毛呂山葛貫店へ向かった。
県道の越生・毛呂山バイパス沿いに建つ同店。道路も店も最近完成した模様。
越生上野店の店員が言っていた通り、外観は黒い。店内の壁も落ち着いた茶系になっていて、ジャズ風のサウンドがボリュームを絞った状態で流れている。
最近はどこのコンビニもドーナツを扱っているが、最初に手掛けたのはセーブオンだ。記念にどれか1つ買おうと思ったが、数えるほどしか残っていない。
視線を左に移すと...ご当地キャラ「もろ丸くん」のサブレ、さらにその奥には「ぐんまちゃん」のカップ麺が置いてあった。
店内を歩き回ると、入口付近が「もろ丸くん」コーナーとなっていた。セーブオンも地域密着を運営ポリシーに掲げているが、それを忠実に実践している店舗と見た。
ゆず丸くん関連商品は次の機会に譲るとして、今回はぐんまちゃんのカップ麺を購入した。内訳は焼きそばと「うどん」。合わせて税込266円。安い。
毛呂山葛貫店のカウンターまわりもにぎやか。ファーストフード系メニューに力を入れている。コーヒーマシンはボタンを押すと人の声が流れる。
川越駅西口にオープンする新店は超進化
セーブオン毛呂山葛貫店以上の店が、川越駅西口に2015年7月10日7時に開店する。
三越サテライトショップのあった場所にオープンする川越脇田本町店。くつろぎスペースは37席あり、女性優先席、喫煙スペースも用意している。
浅草の「からあげ縁-YUKARI-」と金沢発のスイーツショップ「世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス」を店内に設ける。とくに後者は、イオンモール沖縄ライカムなどで人気のショップだ(参照:超豪華! アジアNo.1の「リゾートモール」イオン沖縄ライカムに、地元民ハート鷲づかみ)。それをコンビニに持ってくるとは......。
10日~12日のオープニングイベントでは福袋を配ったり、手巻おにぎりしゃけをプレゼントしたり、商品の大幅値引きを実施する。
セーブオンの歴史に1ページを加える、埼玉のフラグシップ店となるのは間違いない。これを起爆剤に同チェーンの埼玉進出が加速するのだろうか。