これが品川の新ランドマーク! 品川シーズンテラスが目指した「最先端」の世界
まるで別天地のような緑地
「環境配慮」というテーマを語る上で外せないのは、北側に広がる3.5ヘクタールの緑地だろう。オフィスから地上階に下り、ビルの裏側に回れば、そこは都会の真ん中とは思えない、別天地のような緑の広場が広がる。
「ここは地理的に、人・生態系・風などが交わる場所であるとともに、下水処理場ということで『水を生き返らせる』場所でもある。そういうことを意識しました」
こう語る、ランドスケープ(景観)部分を担当した大成建設・蕪木伸一さんは、そうした場所の特徴を強調する方向でデザインを行った。たとえば木々の間には、東京タワーがはっきりとその姿を見せている。というより、はっきりと見えるように、木々は計算して配置されている。「この場所から何が見えるか」という、土地の特性を際立たせた演出だ。
こうしたテーマ性は、内装にも生きている。商業施設が中心に入居する1~3階の内装を手がけた乃村工藝社・城土健作さんは、訪れた人が建物の中からでもその緑地の眺望を「素直に見えるように」、通路を開放的にデザインした。また緑地につながるエリアについては、天井部や壁面などに素材感のある木材を配することなどで、「公園(緑地)に地続きで行けるような連続性」を持たせたという。