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これが品川の新ランドマーク! 品川シーズンテラスが目指した「最先端」の世界

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.07.07 13:00
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東京・品川。山手線の新駅誕生やリニアの発着駅設置などで、今最も注目を集めるこのエリアに、新たなランドマークが誕生した。

緑地側から撮影した品川シーズンテラス
緑地側から撮影した品川シーズンテラス

その名は、「品川シーズンテラス」。地上32階、広大な緑地を備えたオフィスビルが立つのはなんと「浄水場」の真上だ。2015年5月28日のグランドオープンから1か月、その目指したものとは。

環境への配慮は最高クラス評価

品川駅港南口を出て徒歩6分。80年以上にわたり、首都の下水処理を担ってきた「芝浦水再生センター」が全面改修したことを受け、その頭上に誕生したのが品川シーズンテラスだ。地上31階、再開発が進む品川の街の中でもひときわ存在感を放つ。

浄水場の真上という「今までにないような取り組み。非常にチャレンジング」(設計を担当した大成建設・井深誠さん)なこのビルはテーマとして、「環境配慮」を掲げている。

入り口側に設けられた「エコ広場」
入り口側に設けられた「エコ広場」

たとえば、ビルの中心部には上下実に130メートルに及ぶ大規模な吹き抜けが設けられた。これを通じて太陽光を大きく取り入れることで、各方面の省エネを実現させた。東京都による「建築物省エネルギー性能評価書」では、熱負荷の低減率・設備システム全体のエネルギー利用の低減率の2指標で「AAA」の最高評価を得ている。

加えて、見た人の視線を空に吸い込むように誘導する「縦のライン」を強調した外見、また訪問者を迎える太陽光や霧(ミスト)を生かしたアートなどを通じて、環境への配慮を「見える化」したという。井深さんは、その意義をこう語る。

「ただ単に数値で『省エネルギー××%』ということではなくて、『エコな建物だなあ』ということを一般の人にも見て感じてほしい。そうすることで、『地球環境を守っていこう』という意識を高めていただけるのではないか」

まるで別天地のような緑地

「環境配慮」というテーマを語る上で外せないのは、北側に広がる3.5ヘクタールの緑地だろう。オフィスから地上階に下り、ビルの裏側に回れば、そこは都会の真ん中とは思えない、別天地のような緑の広場が広がる。

広がる豊かな緑。ビルで働く人たちの憩いの場になることが期待される
広がる豊かな緑。ビルで働く人たちの憩いの場になることが期待される
「ここは地理的に、人・生態系・風などが交わる場所であるとともに、下水処理場ということで『水を生き返らせる』場所でもある。そういうことを意識しました」

こう語る、ランドスケープ(景観)部分を担当した大成建設・蕪木伸一さんは、そうした場所の特徴を強調する方向でデザインを行った。たとえば木々の間には、東京タワーがはっきりとその姿を見せている。というより、はっきりと見えるように、木々は計算して配置されている。「この場所から何が見えるか」という、土地の特性を際立たせた演出だ。

木々の間から見える東京タワー
木々の間から見える東京タワー

こうしたテーマ性は、内装にも生きている。商業施設が中心に入居する1~3階の内装を手がけた乃村工藝社・城土健作さんは、訪れた人が建物の中からでもその緑地の眺望を「素直に見えるように」、通路を開放的にデザインした。また緑地につながるエリアについては、天井部や壁面などに素材感のある木材を配することなどで、「公園(緑地)に地続きで行けるような連続性」を持たせたという。

共用部の天井には、「公園」を意識した木材があしらわれた
共用部の天井には、「公園」を意識した木材があしらわれた

「エリアマネジメント」で地域に貢献

また品川シーズンテラスでは、地域への貢献にも力を入れる。「エリアマネジメント」というセクションを設け、年間を通じたイベントなどで、地元・品川の住民との交流を図り、「品川全体を盛り上げるきっかけ」になることを目指すという。

こうした多方面からのアプローチにより、「環境配慮」において国内の「最先端」を実現したと関係者が自負する品川シーズンテラス。前述の井深さんはその未来について、こんな夢を語る。

「働く人が単に机に向かうだけではなく外に出て、公園に散歩に来たような人などと触れ合うことで、新しいアイデアを生み出せるような場所になれれば。いろんな人が訪れて、自然や環境も含めていろんなことを感じ、また楽しく働ける。建物として目立つことも大切ですけど、親しめるビルにしたいですね」

(企画編集・Jタウンネット)

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