外国人観光客殺到で「ホテル不足」の東京、比較的空室が多い街はどこ?
海外からの旅行客が過去最高を更新した日本。彼らの多くは東京にステイする。日本におカネが落ちるのは悪い話ではないが、その影響でホテルの確保が難しくなっている。
質にこだわる欧米人はラグジュアリーなホテルを好む傾向にある。一方、中国人は宿のレベルはあまり気にせず、ショッピングに大枚をはたく。その結果、東京に出張中のサラリーマンと室料のゾーンがかぶり、「ホテル難民」が生まれているという。
単に安く済ませるならカプセルホテルやネットカフェという選択肢もある。しかし、疲れをとるなら気持ちよくベッドで眠りたいもの。その条件を満たす東京のホテルは、シングルだと7000~1万円が相場だ。
地理に不案内なら都心近くで宿を確保したいところだが、ある程度東京を知っているビジネスマンなら、少々都心から離れても問題ないはず。
ホテル難民にとっての穴場はないか――。「マイナーだけど実は便利な場所」を中心に、ホテルの予約状況を調べてみた。調査は金曜日午後、宿泊予約サイトなどを利用して、その夜の部屋が空いているかどうか(1泊1名)を確認する方法を採った。
羽田空港に近い蒲田は人気高し
最初に調べたのは大田区蒲田。羽田空港から近く、都心へ行くにも川崎・横浜へ行くにも便利だ。ビジネスホテル最大手の東横インの本社はここにある。鉄道系の進出もめざましい。
7ホテルの予約状況を調べた。3つは満室で、3つは残りわずか、余裕があったのは相鉄フレッサイン東京蒲田だけだった。東横インは羽田空港周辺にも2ホテルあるが、そちらも満室。早朝または夜遅い航空便を利用する客の利用が高いと思われる。
多摩川を渡ると状況は一変する。蒲田から1駅の川崎は東横インのホテルが3つあるが、京浜急行川崎駅前を除く2カ所で余裕がある。
ホテルの数が多い中央区は丹念に探そう
次に調べたのは中央区。東京駅や銀座・日本橋に近く、地下鉄が網の目のように整備されている。シティからビジネスまで様々なタイプのホテルが立地している。その密度は日本有数だろう。
10のホテルを調べた。満室だったのは2カ所で、4カ所が残り数部屋、4カ所が「あり」という状態。夕方から夜にかけて徐々に埋まっていくのか。
新宿はホテル不足
アジア有数の歓楽街・歌舞伎町のある新宿。夜遅くまで飲食して、終電後ホテルまで歩いて帰りたい――。そう思う人もいるだろう。
宿泊需要が旺盛な新宿だが、ビジネスホテルの供給量は多くない。6月19日17時時点で調査したところ、新宿ワシントンホテルの新館は満室で、本館も素泊まりで1万3000円する。
楽天トラベルで「新宿・中野・杉並」「1万円以下」という条件で検索したところ、アパホテル新宿御苑前のシングル素泊まりが税抜9260円で見つかったが、ほかはカプセルホテルばかりだ。東横インや西鉄インは満室。京王プレッソイン新宿で当日限定プランがヒットしたがシングルが1万円を超える。
新宿に用があって宿を探す場合は、早めに予約するか、アクセス容易な別の場所を探した方がよい。
新宿駅周辺で見つからないなら、中央線・総武線の御茶ノ水~市ヶ谷駅で探した方がまだ可能性はある。
いざというとき、埼玉はいかが?
どうしても宿が見つからない。どうしよう――そんなときは、先述の川崎や、埼玉に目を向けるのも手だ。
たとえば、東京メトロ有楽町線・副都心線の始発駅である和光市駅近くには「東横イン和光市駅前」がある。17時20分の段階で、禁煙エコノミーダブル以外、全て「空室あり」の状態だ。埼玉とはいえ、池袋から15分、渋谷35分、銀座40分という好立地でもある。
夜遊べる場所はなさそうだが、グッスリ眠って、始発電車で座って都心に向かいたい人にはピッタリかもしれない。