「こわい」「えらい」「ほる」...共通語だと思い込んでいた「方言」といえば？

進学や就職などで、地方から都市に出てきた人なら、一度は味わったことがあるだろう。自分が共通語だと思って使っていた言葉が、実は地元でしか通じない「方言」だった、というあのショックを......。

今回Jタウンネット編集部では各地のユーザーから、そうした「共通語だと思っていた方言」についての体験談を集めてみた。

北海道「こわい」「なにそれ」「えっ」

疲れたり体がだるかったりする時など、「こわい」と表現します。以前、体調が悪く体がだるかったので、「なんだかこわい」と言ったところ、「なにか怖いの？」と返されました。その時に初めて「こわい」が方言だと知り驚きました。（北海道・40代女性）

千葉「カブトムシの雌はブタ」

千葉県出身。橋を渡れば茨城、埼玉と近所、という土地でしたので、そこではさまざまな方言が飛び交っていました。
たとえば、傘のことを「コウモリ」（※編集部注：「コウモリ」は「蝙蝠傘」の略。方言ではなく、千葉に限らず使われる言葉です）。カブトムシの雌のことを「ブタ」とか......。
今や私も引っ越し、共通語の地域に住んでいますが、たまに主人やこちらの友達に方言で話すと「わからない」といわれ、四苦八苦しています（笑）。（埼玉県・20代女性）

千葉「しとっているので...」

高校卒業後、金融機関の窓口で働いていました。ある時、お客様が出したお札が濡れていたので、上司に、
「しとっているので、乾かしたいのですが」
と言うと、「えっ、なんて？」。しとっている＝濡れている、だと話すと驚かれました。周囲の東京、福島、新潟の人たちも誰も知りませんでした......。（千葉県・40代女性）

兵庫「これほっといて」「わかった（放置）」

「ほる（＝捨てる）」。地方から出てきた同僚に、「これほっといて」と言ったら通じず、そのまま手つかずで置いておかれました。（兵庫県・50代女性）

岡山「えれー」「偉い？」

「えれー（えらい）」の意味が違っていた。岡山弁だと、疲れた時やだるい時に「えれーなー」と言うが、他だと「偉い」という意味が一般的だった。（岡山県・30代男性）

福岡「なおしておきます」「壊れてないけど」

「遊んだあとのおもちゃは、ちゃんとなおしなさい（＝しまいなさい）！」などと小さいころから親に言われてきました。
近畿から九州にかけては通じる地域があるようですが、関東の方などに「使い終わったそれ、私がなおしておきます」などと言って、「別に壊れてないけど？」ときょとんとされたことがあります。（福岡県・30代男性）

福岡「口がまめらん」

「口がまめらん（＝舌が回らない）」は共通語かと思っていましたが、大学で大阪に出て方言だと知りました。友人と早口言葉をしていた時、早くしゃべるのが苦手な私は「口がまめらん」と笑いながら言ったのですが、友人は意味が分からなかったらしく、しばらく考え込んでいました......。（福岡県・20代女性）

沖縄「服がせまい」

沖縄では服が小さくなったり、きつかったりするとき、「服がせまい」と言います。
福岡県出身の主人にいつも、「服は『きつい』か、『小さい』。せまいは、空間がせまいとかでしょ」と突っ込まれます。（沖縄県・40代女性）

同じ言葉でも意味が違ったりする

以上、皆さんの思い当たる節はあっただろうか。

「なおす（＝しまう、片付ける）」は関西弁という印象が強いが、実は投稿にもある通り九州でも比較的よく使われる言葉だ（ただし両地域の間にある中・四国ではあまり通じない）。また、「だるい」の意味の「こわい」については以前Jタウン研究所で調査したことがあるが、北海道以外にも東北の一部、北関東などで普通に用いられる。同じ意味の「えらい」は、岡山を中心とした中国地方に加え、東海地方でも利用者が多い。

この辺は共通語と同じ言葉に、まったく違う意味があるというパターンだけに、方言とは思いもよらない人が少なくないらしい。このほか「しとる」や「ほる」のように、利用頻度が高い言葉ほど共通語と思い込みやすいようだ。

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