「近所の子供が停めてたスクーターを倒してケガ。母親が『治療費!慰謝料!』と警察に通報した...」(福岡県・40代男性)
ご近所トラブルに限った話ではないが、頭に血が上った相手というのは、とにかく厄介だ。
福岡県のLさん(40代男性・自営業)はある日、話も通じないほどに激怒したご近所さんに、我が家へ踏み込まれた。聞けば聞くほどその主張はトンチンカンで、Lさんとしては呆れるほかなかったのだが、さてその結末は......。
休みの日、鳴り響いたインターホン
自営業で、通勤にはスクーターを使用しています。
スクーターは家の敷地内にある駐車スペースに停めているのですが、このスペース、道に面しているうえ柵などもないので、一見すると歩道の一部のようにも見えます。もっとも、よく見ればタイルの色でちゃんと境界が区切ってありますし、それにこの辺の家ではだいたいどこにも同じようなスペースが作ってあるので、そこが私有地だということはご近所さんならみんな承知していると思っていたのですが......。
ところがある日、久しぶりの休みに家で休んでいたところ、突然インターホンが激しく鳴り響きました。
何があったのかとドアを開けると、そこにいたのは数カ月前に近所に引っ越してきた奥さんです。それもなんだか知りませんが、ひどく怒っているようです。何かありましたか――と尋ねる私に、奥さんはいきなり怒鳴りつけてきました。
「歩道にスクーターを駐車するなんてマナーがなってない! 違法駐車で通報した!」
勝手に他人のスクーターおもちゃにして慰謝料?
どういうことだ、と表に出た私が見たものは、横倒しになったスクーターと、その側で泣いている子どもでした。
憤る奥さんをなだめつつ話を聞くと、我が家の前(正確には、上記のとおり我が家の敷地内)に置いてあったスクーターに子どもがまたがって遊んでいたのですが、何かの拍子に車体が子どもごと倒れてしまったということらしいのです。それで奥さんとしては、
「そもそも路上にスクーターが『違法駐車』してなければこんなことにはならなかった」→「お前が悪い! 治療費を払え!」
と我が家に怒鳴り込んできたのだとか......。
正直呆れましたね。子どもが転んだのはかわいそうですが、他人のスクーターに勝手に乗ったのがそもそも悪いんですし、そもそも停めていたのは繰り返しになりますが我が家の敷地内です。違法駐車でもなんでもありません。
警察も呆れるしかない
とにかく妻を呼んで、子どもの手当てをしながら奥さんを説得しますが、怒りは一向に収まる様子がありません。謝れ、治療費払え、いや慰謝料もだ......とさらにヒートアップしていきます。
そこにやって来たのが警察です。「通報した」、とは言ってきましたが、まさか本当に110番していたとは――しかしお巡りさんも、何が何だかわからない様子。まあ無理もありません。違法駐車、という話で呼び出されたと思ったら、この有り様なんですから。それでも奥さんは、「公道にスクーターを違法駐車していた、そのせいで子どもがケガをした、治療費を払わせろ、こいつを捕まえろ」と相変わらずの怪気炎です。
奥さんは近所で避けられるように...
そうこうしているうちに、騒ぎを聞きつけて近所のおばさんたちが何人か集まってきました。奥さんの主張を聞いたおばさんたち、
「ああ、そこはこの辺の家じゃ駐車スペースになってるのよ。景観の為に歩道の一部っぽくなってるけど、タイルの色が違うから境界線はちゃんと判るでしょ」
とそろって証言。「公道に違法駐車」というそもそもの主張がこれで論破されたわけです。お巡りさんも納得して、そのまま引き揚げていきました。
取り残された奥さん、「まぎらわしいことしないでよ!」と吐き捨てて、子どもを引っ張って帰っていきましたが、それ以来「どうも付き合いづらい人、変な人らしい」という話が件のおばさんたち経由でご近所に広がり、ちょっと居心地悪そうにしているらしいです。
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