刀剣女子で大盛況!東京国立博物館に「三日月宗近」を見に行ってみた
実在の刀剣を擬人化したオンラインゲーム「刀剣乱舞」に登場する日本刀・三日月宗近の展示が、2015年5月12日から東京国立博物館(台東区)で始まっている。同ゲームは「刀剣女子」という言葉が生まれるほどの人気で、展示初日の朝には、平日にもかかわらず100人近くのファンが三日月宗近の前に集まったという。
そんな中、ツイッターでは「20分近く列が動かない」「ガラスに手を触れていた」など、同ファンの勢い余った行動が拡散され、その真偽を含め話題となっている。このニュースを聞いていた筆者は、「刀剣女子のエネルギーに圧倒されてしまうのでは......」と勝手に不安を抱きつつも、三日月宗近とそれに集まるファンの様子を見るため、実際に国立博物館へと向かった。
三日月宗近の前に、鳥獣戯画展の大行列にも注目
受付を済ませ敷地に入ると、東京国立博物館公式キャラクターのトーハク君とユリノキちゃんが出迎えてくれた。
同館では、4月28日から特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」が開催中で、筆者が訪れた平日の午後でも入館90分待ちの大盛況だ。多くの来館者が鳥獣戯画展に向かう中、「刀剣女子」と思われる若い女性が、三日月宗近の展示されている本館(日本ギャラリー)へ向かう姿もちらほらとみられた。
三日月宗近とご対面する前に、ちょっと寄り道して鳥獣戯画展の盛況の様子をチェックしてみた。同展が行われる平成館前の人工池には、鳥獣戯画テイストのウサギやサルのオブジェが設置されており、この前で記念写真を撮る人も。
また、行列の近くには日傘の無料貸し出しサービスが。この日は日差しがかなり強かったため、ご老人が嬉しそう受け取っていたのが印象深かった。
三日月宗近の展示スペースは、刀剣女子で大盛況
大盛況の鳥獣戯画展に後ろ髪をひかれつつも、本来の目的の三日月宗近を目指して、筆者は本館(日本ギャラリー)へと向かった。
「漆工」から「陶磁」まで、幅広い美術品がジャンル別で展示されている同館。三日月宗近の展示されている刀剣の展示スペースを探すため、まずは地図を探して......と思ったが、どうやら館内にはすでに「刀剣女子」とみられる人たちによって流れができている様子。この流れに乗って、目的の展示スペースまで簡単にたどり着くことができた。
刀剣スペースの中でも、やはり三日月宗近の前には若い女性が特に集まっていた。ツイッターで拡散されていたようなマナー違反の行動は見受けられず、多くのファンが静かに観覧している印象だ。基本的には待ち時間なく見ることができるが、写真を撮影する場合は並んで順番を待つ必要があった。
若い女性ばかりで少々恐縮しつつも、筆者も列に混ざって待つこと数分。ついに目的の三日月宗光を写真におさめることができた。
写真では確認することが難しいが、肉眼だと名前の由来となった刀身にあしらわれた三日月型の文様もはっきりと見てとれた。
「刀剣女子」とみられる若い女性がたくさん集まっていることについて、同館で入館者の整理を担当する方に話をうかがうと、
「予想以上のお客様に集まっていただいたので、初日の午前中は少し混雑しましたが、今では御覧のようにみなさん静かに楽しんでおられます」
とのことだ。
この三日月宗近の展示は7月20日までだが、「刀剣乱舞」に登場する日本刀は今年いっぱいにわたって展示される予定だ。具体的には、「厚藤四郎」が7月22日から9月23日まで、「獅子王」が10月14日から12月23日まで展示される。