男のロマンがここに...新宿区牛込の銘菓「おっぱいちゃん」を食す
おっぱいちゃんはデリケート
誰がいったか知らないが、「京都の生八つ橋と女性の乳房の感触は一緒だ」と主張する人がいる。筆者も「おっぱいちゃんは生八つ橋、そして女性の乳房に近い肌触りかも」と勝手に決めつけていた。
おっぱいちゃんからアルミホイールを取り除こうと軽くつまむ。あれれ、押した部分が回復しない。少なくとも生八つ橋よりかは繊細だ。
中身を分析すべく包丁でスライスしようとしたが、粘り気があってうまく切れない。なんとか2つに割るときれいな白餡(しろあん)が。リンゴの甘煮も顔をのぞかせる。
まるで火照った肌のように見えるのは、乳首と同じ色の練り切りを薄い皮にして、その上からさらに皮を重ねているから。2個目は手でちぎって食べたが、なぜか罪悪感が胸に去来した。
気になるお味だが、遠い赤ん坊のころの記憶が蘇ってくる......ということはなく、正統派な和菓子だった。ミルキーなこともあって、かなり甘め。カロリー表示はないけれど、糖分が気になる人は1個、いや半分ずつでもいいかもしれない。
おっぱいちゃんの製造が始まったのは昭和60年代だという。ということは約30年の歴史があるわけだ。販売開始当初と全く同じ味かどうかは不明だが、和菓子としての完成度は高いように思われる。
同店は日曜祝日を除く平日の朝8時から開店している。筆者が訪れた土曜は14時頃でも購入できたが、大量注文のある日は早く売り切れることもあるそうだ。