桜餅といわれて「皮で巻いたモノ」を思い浮かべた人...あなたは少数派です
梅は咲いたが、桜はまだか? 春の足音が聞こえてきそうな、今日このごろだ。2015年3月6日、今年の桜の開花予想が日本気象協会から発表された。それによると3月20日ころから、四国・高知県を皮切りに咲き始めるという。25日には九州や、中国・近畿・東海の一部で、3月末までには関東南部でも開花すると予想されている。
桜の時季になると、やはり桜餅が食べたくなるよね、ということで、Jタウン研究所では手回しよく、桜餅について、都道府県別にアンケート調査を行っていた(総投票数961票、2015年2月13日~3月11日)。
関東風は229票、23.8%、関西風は716票、74.5%、その他が16票、1.7%だった。結果が、この図表だ。各県ごとの最多得票を色分けしてみた。関西風が圧倒的に多数で、東北・関東甲信の一部を、取り囲んでいる様子がお分かりいただけると思う。
念のため、写真をもう一度見ていただこう。写真上が関東風、下が関西風である。
関東風は江戸風桜餅とか長命寺餅などと呼ばれ、小麦粉を使った生地を薄く焼き、あんを包んだものだ。
一方、関西風は上方風桜餅とか道明寺餅などとも呼ばれ、もち米を一度蒸して、乾燥させ、粗めに砕いたものを使用して、あんをくるむ。
意外だった東京都の結果
まず関東風が多かった主な県の内訳を見てみよう。地域的には、北関東~甲信地方で支持が目立ち、ほか東北・山陰にも多い傾向がある。
埼玉県は、関東風は63.6%、関西風は36.4%だった。
また長野県は、関東風は71.4%、関西風は28.6%。
予想外だったのは東京都。そのうち関東風は26.9%、関西風は71.7%、その他が1.4%だった。関西風が倍以上を占め、全国平均に近い数字である。全国各地からの流入者がいかに多いかが分かる。
関東風の代名詞でもある長命寺の桜餅は、1717年、桜の葉を樽に塩漬けにして売ったのが始まりとされている。江戸時代、隅田川沿いは桜の名所として、多くの花見客で賑わったという。落語「花見小僧」でも、向島に花見に行った場面で、この桜餅が登場する。江戸の伝統を伝える関東風の桜餅が、少数派になってしまうとは......。
関西風の圧勝だ
さて関西風が多かった地域の代表として、大阪府を見てみよう。関東風は19.8%、関西風は78.4%、その他が1.7%と、関西風が圧倒している。
京都府に至っては、関西風が86.2%。やはり関西風の圧勝である。
最後、福岡県はさらに圧倒的だ。関東風は5.6%に過ぎず、関西風が94.4%だった。桜餅の世界は、すっかり西高東低......と言ってもいいかもしれない。