スタバが多いほど都会って本当?地域別店舗数を比較してみた
都会度を図る尺度は様々ある。よく使われるのは人口密度、事業所数、製造品出荷額、卸売・小売業の年間商品販売額、地価、地方税の収入などだが、どれも一概に「この数字が大きいから都会だ!」と言い切るには難がある。
スタバがあるのは都会の証しか?
そんなとき、頭に浮かんだのが「スターバックス」だ。「スタバができるなんて、うちの地元も都会になったもんだなあ」――そんな会話を聞いた経験がある人は、おそらく少なくないはず。長らくスタバができなかったことが、鳥取いじりの定番だったことは記憶に新しい。以前ほどではないだろうが、「スタバ=都会」というイメージはある程度広く共有されているのではないか。
それほど面積を必要としないので、空き物件を見つけること自体は比較的容易な業態だ。にもかかわらず、現在のところは人の集まるところでないと出店しない方針をとっている。ちなみに、昔ながらの日本の喫茶店だと商圏人口700人が目安といわれていたが、スタバの本場・アメリカの喫茶店の場合は1万人といわれる。
高速道路のSA・PAにもあるので一概にはいえないが、スタバの多いところ=都会といえる可能性は高いのではないか。
そんな仮説に基づき、Jタウンネットは、スターバックス公式サイトの「店舗検索」でヒットした数をもとに、都道府県と政令指定都市ごとの店舗数をまとめた。
近くオープンが伝えられる鳥取県については、鳥取市内に1店舗とした。
スタバが多く出店している地域は関東の523店舗で、全国の約半数を占める。東京は277店舗と全国で唯一3ケタを超える。
5店舗以下なのは青森、岩手、秋田、山形、福島、福井、和歌山、鳥取、島根、山口、徳島、愛媛、高知、宮崎、鹿児島の15県。
このうち山口は県庁所在地に1店舗もなく(下関に2、山陽小野田に1)、岩手と和歌山、鳥取、高知、宮崎、鹿児島は県庁所在地のみ店が存在する。
政令指定都市は必ずしも人口に比例しない!?
次に政令指定都市の店舗数を見てみよう。東京を除く都市で最も多いのは横浜市の43だが、名古屋市とは1つしか変わらない。喫茶店の利用者が多い土地柄だからと考えられるが、同じ東海文化圏の岐阜市は3店舗しかない。41万都市にしてはやや寂しい。
その横浜市と東京都に挟まれた人口142万人の川崎市は、店舗数が2ケタに満たない。
政令指定都市ではないものの、人口約33万人の埼玉県越谷市にはスタバが7つもある。これはイオンレイクタウンに5店舗あるからだ。このほか市ではない「町」にスタバが店を構えるところもある。その多くは大型商業施設またはSA・PAに併設されている。
政令指定都市の中で店舗数が少ないのは堺市の2。次いで熊本市の4。
もっとも熊本市の場合、隣町のベッドタウンである菊陽町(2)や嘉島町(1)の計3店舗を加算しても不公平ではないだろう。
人口83万人を超える堺市にスタバが2つしかないのは少々意外だ。大阪市も名古屋市や横浜市と比べるとやや少ない印象を受ける。ここからは仮説になるが、「ミックスジュース」に代表されるような独自の喫茶店文化が根付いているために、昔ながらの店を支持する層が多くいるからだろうか。