ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

茨城県庁が年収1000万円で人材募集中! 「世界が相手」なその仕事内容とは?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.02.02 19:15
0

日本国内はもちろんのこと、世界に茨城の魅力を発信してくれる人材求む――茨城県は、任期付職員「広報監」を募集している。

茨城県の地理(県の公式サイトより)
茨城県の地理(県の公式サイトより)

県庁の広報宣伝の司令塔となる役職で、知事、副知事、正部長に次ぐ「部長級」という高い格付け。月額61万8000円、期末手当を合わせた年収は1000万円を超える。通勤手当と退職手当も出る。驚くべき待遇だ。

行政改革が叫ばれ公務員の給与に対する締め付けも厳しい昨今、破格の報酬を払ってまで人材を外部に求める理由とは――。
「優れた人材を求めているので、それにふさわしい待遇をがんばって用意しました」と語る、広報広聴課の担当者に直撃した。

役職設置の引き金はあのランキング...

ブランド総合研究所がまとめている「都道府県別魅力度ランキング」で、茨城県が連続して最下位に甘んじているのは周知のとおり。広報監が設置されたのも、同ランキングの順位低迷が影響していた。

「このポストを設けることについて検討したのは2009年ですが、
(1)「都道府県別魅力度ランキング」において、茨城県の順位が低迷していたこと
(2)メロンなどの特産物や、筑波研究学園都市の科学技術など、全国に誇りうるモノはあっても、うまく発信できていないこと(農林水産部や商工労働部などそれぞれの部門が広報活動を個別に展開しており、茨城県として一元化されていないこと)
などの理由から、本県の広報宣伝やイメージアップの司令塔となるポスト(専門家)が必要であるという結論に至りました」(広聴課担当者)

その後発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故により、観光での集客や県産品の販売は大打撃を受け、風評の払拭とイメージアップが大きな課題となったことから、引き続き「広報監」を設置してきたという。

そういえば2013年、県が仕掛けた「なめんなよ いばらき県」は、お役所らしからぬ斬新なPRとして話題を呼んだ。

県庁が欲しい人材とは?

報酬もさることながら、任される仕事のスケールの大きさは魅力だ。茨城の偏ったイメージを向上させるため、広報監には獅子奮迅の活躍が求められる。

PRやキャンペーンのアイデアを出したり、マスメディア向けに営業活動を行ったりするだけではない。管理職としての仕事もこなす必要がある。広報監が直接、指揮監督する「広報戦略室」のスタッフは16名。茨城県庁内の様々な部・課への助言指導、協議調整なども行う。
「企業等において、広報関連業務の実務経験を概ね10年以上有し、かつ、管理職等の職務経験を有する方」と受験資格を絞ったのはそのためだ。

採用にあたって重視するのは、企業のネームバリューではなく経験。「茨城県をこうPRしたい!」という情熱と具体的プラン、そして実行力を重視するそうだ。

任期付だからこそ燃焼できる

任期は2015年4月1日から翌年の3月31日までの1年間だが、任期延長もあり得る。

「初代の方は2010年度~2012年度の3年間、2代目は2013年度~2014年度の2年間をそれぞれ務めています。お2人とも企業の広報部門経験者で、初代の方は現在民間企業に再就職しています」

広報監に就くにあたっては、現在の仕事をいったん退職しなければならない。ただし任期満了後は元の職場に復帰することもOKだ。
定年になる年齢まで働くことはできないが、見方を変えれば本人のキャリアアップにつながる。まして県の部長級は得がたい経験だろう。
初代の方は別の民間企業に転職したそうだが、ときどき県にアドバイスを送ることもあるという。良好な関係を続けているようだ。

実は茨城、今後6~7年が勝負なんです!

2代目の方にもう少し頑張ってもらうという考えはなかったのだろうか。県の担当者に疑問をぶつけたところ、今回の募集に2代目の方が応募することは可能とのこと。
国内だけでなく世界に向けて「IBARAKI」をアピールしたいと考えており、2代目(現職)の方も含め、新たな観点やノウハウをもって、それを実行できる人を欲しているという。

「2015年のJR常磐線・上野東京ラインの開業や、2019年の茨城国体、2020年の東京オリンピックなどを茨城県は控えています。こうした機会を活かして、全国に本当の魅力、実力、住みやすさをアピールしていかなければなりません。
また、海外(主に東南アジア)との交流にも力を入れて取り組もうとしています。県庁内の士気は高まっていますので、ぜひお力をお貸しください」

農業と工業を両立させ、世界有数の研究学園都市もだってある。茨城空港からは関西、福岡やアジア行の便もある。
ところが世間から注目されるのは「ヤンキー」と「納豆」ばかり。Jタウンネットも他所のことは言えないが、マスコミが特定のジャンルにフォーカスしまくったのは事実だ。

もし今度の広報監の働きによって、茨城県が魅力度ランキング47位から上位に大幅ジャンプするようなことがあれば、茨城だけでなく広報監にも世間の注目は集まる。人生を賭けるに値する仕事だろう。

応募締切は2月6日(当日消印有効)。気になる倍率だが、1月30日現在、応募書類は届いていないそうだ。

「応募することを前提にしたお問い合わせは数件いただいております。締切り間際には何件かのご応募があるものと見込んでいます。(応募書類の中に、小論文がありますので、その作成に時間をかけている方もいらっしゃるものと見込んでいます)。
応募期間の延長は考えておりませんが、応募がゼロ、あるいは採用したい方がいなかった場合には再募集をするかどうかを検討します」
PAGETOP