広島では「メロンパン」が丸くない!?→実際に食べてみた
高級フルーツの代名詞であるメロン。その名前を冠した「メロンパン」は全国各地のベーカリーやスーパー、コンビニなどで販売されている。
あれっ、関東でよく見るのと形が違う??
ご当地パンとしてのメロンパンは数多く存在するが、東日本の代表格はグンイチパンの「カリカリメロンパン」(群馬)だ(参照:グンマで一番「グンイチパン」がCD焼いた)。丸い円形をしていて格子状の切れ込みが入っている。
ところが、ラグビーボールに似た紡錘形(ぼうすいけい)がメロンパンとして人気を博している地域が西日本にある。
広島県呉市のメロンパンは、ボリュームたっぷりの餡(あん)とこんがり焼いたビスケット生地の相性が絶妙で、西日本の代表格といわれる。ご当地では1936年から市民に親しまれている味だ。
そんな呉のメロンパンが広島県ブランドショップ「TAU」(東京都中央区)で買えるらしい――その情報をキャッチした編集部は急ぎ銀座へ向かった。
発売期間は2014年11月13~15日の3日間限定。初日はあっという間に売り切れたことが、TAUのフェイスブックページに投稿されている。
★11/14、15の呉の「メロンパン」の個数限定販売のお知らせ★
本日、多くのお客様にご来店いただき直ぐに売り切れとなりました、TAU初登場の呉の名物「メロンパン」について、大変申し訳ございませんが、明日・明後日はお一人様の販売個数を2個までとさせていただきます。
また、呉の「メロンパン」は各日とも入荷が午後(およそ14時~16時)の予定ですので、販売は入荷後となります。
筆者が15日14時10分くらいにTAUに入店したところ、店内は先に進むのも困難なほど大混雑。レジを取り巻いていた人の列はまるで蛇のようだった。
販売していたパンは全部で4種類。すべて有限会社メロンパン(呉市本通)が製造している。
全部欲しかったが2個限定。1番人気のメロンパンと、2番人気のナナパンを購入した。
家に持ち帰ったメロンパンは......荷物が多かったせいか、真ん中がすこしつぶれてしまっていた。
ラグビーボールのような形と書いたが、焼き上がった生地の色味はレモンのよう。
そういえば広島県はレモン推し。TAUの公式サイトトップページに「レモン商品 ランキング」があるくらいだ。
話をメロンパンに戻す。フィルムの表面には「高級パン」と書いてある。どれだけ高いのだろうと思っていたが、税込みで1個168円。
包丁で二つにカットすると――餡のボリュームにビックリ。パンの大きさは横15センチくらいだが、食べごたえがある。
カリカリしたグンイチの商品とは真逆で、生地はしっとりモチモチしている。
具はカスタードクリームというより白餡に近いテイスト。マーガリンと砂糖などもミックスしているため、このような仕上がりになっているのだろうか。
袋に記載されている原材料名に「メロン」は入っていないが、本物のスイーツを味わっているかのような気分。
お値打ち価格ながら、菓子パンとしての価値は間違いなく「高級」だ。
ちなみに、グンイチのカリカリメロンパンのような丸形+切り込み線入りは、広島や神戸の一部地域などでは「サンライズ」と呼ばれているそうだ。
ナナパンの餡はチョコ
次に食べたのは2番人気のナナパン。袋の表面のキャッチコピー「メロンパンのナナパン」が少々ややこしいが、呉ではこの説明で十分伝わるのだろう。値段は158円。
下の写真を見ればお分かりのように、横に切れ込みが入っている。ここにチョコが挿入されているのだ。
メロンパンとは異なり、ナナパンの生地は若干パサパサしている。これはこれでよい。
チョコクリームではないため、気温の低い環境だとチョコが固まることもあるそうだ。 いつか呉に行ったときは、冷やしたものを食べてみたい。