「お隣の奥さんが、血まみれで我が家に...『助けて!開けて!』」(奈良県・20代女性)
ご近所さんが大ゲンカ――そんなとき、あなたならどういう行動をとるだろうか。
巻き込まれたくない!というのが正直なところだが、放っておくと大変なことになるかも。奈良県のH香さん(20代・女性)が子どものころ体験した騒動では......?
奥さまは歌が得意な外国人
私が小学生の頃、隣に一家が越してきました。
家族構成は、ご夫婦とお子さん2人だったと思います。
奥さんは外国の人でした。顔を合わすと、カタコトの日本語で挨拶してくれる朗らかな人でしたが、故郷が恋しいのか、毎日夕方になるとベランダに出て、地元の民謡らしい、なんとも不思議な感じの歌を熱唱していました(とりあえず日本語の歌じゃない)。
当然我が家にも丸聞こえな訳ですが、歌くらいで文句をつけるのも気が引けましたし、なかなかの美声ということもあって、そのオリエンタルなメロディーに耳を傾けるのが我が家の日課でした。
ある日、夜中に突然チャイムが鳴り、ハッと目が覚めました。
モニターに映るのは、お隣の奥さん。
しかも、何やら拳と口元から大量に血を流している模様。
「助けて!開けてください!」とカタコトの日本語で訴えてくる奥さん。
時刻は真夜中の2時頃。
お隣の方からは、ご主人のものと見られる野太い怒鳴り声が。
これまでも時折言い争う声を聞いたことがありましたが、今度はどうやら、とんでもない痴話喧嘩が勃発したと推測されました。
ご近所のコワモテのおじさんが乗り込んで...
巻き込まれたくない、でも無視するわけにも――私たちが躊躇しているのを見て取ったのか、奥さんはすぐによその家に向かって走り去っていったようでした。
とりあえずは安心したものの、しかし、奥さんは叫びながら我が家以外のあちこちを駆けめぐるし、ご主人の方も荒れて大暴れしていますし、どのみち眠れません。
意を決した父が、近所に住んでいた私の同級生の父親と共に、隣人の家に向かうことにしました。この人がまた、地元きっての超コワモテの(私たち子供には優しかったんですが)、今にして思えばソッチ系のおじさん。
やがてバイオレンスな音声が...
残された我々が、隣の物音にじっと耳をすませていると、やがて怒声とともに、『ドカ、バキ、ドス、バコ』などのドラマでしか聞いたことがないようなバイオレンスな音声が聞こえてきました。
そして一時間ほどすると、父が戻って来ました。
詳細はとても聞けませんでしたが、父にはかすり傷一つもなく、安眠。
隣人は翌日、お詫びの品の白いタオルを持って来ました。いったいどんな顔になっていたのか――気になって仕方がありませんでしたが、怖くて覗くこともできずじまい。
結局この一家は、事件のひと月後に引っ越していきました。
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