とうとう裁判沙汰、「世田谷ナンバー」...何がそんなにイヤ?
お隣の杉並区は反対運動が起きない不思議
杉並区は練馬ナンバーからの独立だが、これといった反対運動は起きていない。人口は世田谷区より少ない約56万人で、こちらの方が特定されやすい気もするが......。
区内在住のMさんは、現在の練馬ナンバーから杉並ナンバーに変わることについて次のように歓迎する。
僕は関西出身の杉並区民で、上京する前から練馬ナンバーはダサイと思っていました。愛車は無理をして買ったアウディですが、練馬ナンバーというのが納得いきません。手続きに関しての詳細は理解していませんが、多少のお金と手間がかかっても杉並ナンバーに変更したいです。
この話を聞いた筆者は地元をこよなく愛する練馬区民。練馬より杉並の方がいいというMさんの発言は少々複雑な気持ちだ。
また、春日部ナンバーから越谷ナンバーに変わる越谷市民で自営業をしている知人にも話を聞いたが「どうでもいい」とそっけない返事だった。対象となる越谷市の人口は約33万人。
伊豆諸島や小笠原諸島も品川ナンバーであることを考えれば、しょせん識別番号にすぎないのだが、特定の自動車ナンバーに価値を見出す人は確実に存在する。
ところで、導入済みエリアでのご当地ナンバー普及率だが、全体で46.36%にすぎない(2010年度末)。最も導入が進んでいる岡崎で普及率52.27%、最低の会津は40.48%となっている。
現段階でご当地ナンバーが地域ブランドの向上にどれほどの影響を及ぼすかは不明だけれども、現在のナンバーに思い入れのある利用者が少なからず存在し、変えたくないという気持ちも理解できる。
田中議員が起こした民事訴訟に話を戻す。金銭が目的ではなく世田谷ナンバー導入の経緯を明らかにするのが目的のため、賠償額は原告一人につき1円だそう。