「なめんなよいばらき県」が、長年の県民性を変えようとしている
開き直ったキャッチが話題になった「なめんなよいばらき県」キャンペーン、果たして効果はあったのか――茨城県庁広報広聴課・広報戦略室室長補佐の平根委さんに聞いた。
前回→"「茨城県がまた『魅力最下位』だけど、今どんな気持ち?」 県庁まで行って聞いてきた"
――2013年7月に始めた、「なめんなよいばらき県」。「なめんなよ」というヤンキー調のフレーズが話題になりました。
「始めた当初には、県議会で議論になったこともありましたが、サイトやフェイスブックに寄せられた反響の多くは『がんばって』など好意的なもの。テレビや新聞など、メディアにも多数取り上げられ、まずは『知ってもらう』きっかけになりました」
――県民からの反応は?
「茨城県民は、土地の広さもあって、おおらかであくせくしない性格。欲もないので、商業でもガツガツせず、外に出て行こうという動きもあまりない。また口下手で、あまり自慢をしたがらない県民性なんです。だから、自分たちで情報発信ということをしてこなかった。『今まで、自分たちの県のことがよくわからなかった』という声もありました」
「ところが今回のキャンペーンを始めると、ホテルやお店などから、『ポスターを張らせてほしい』『キャンペーンのバッジがほしい』といった問い合わせが続々と舞い込んできました。自分たちも一緒に茨城県のことを外にPRしよう、という動きが出てきたんです」
確かに、「なめんなよいばらき県」始動以来、ネット上でも地元ユーザーから、茨城県のいいところをアピールするような書き込みを多く見かけた。一連のキャンペーンと、茨城県のいいところを網羅したあるNAVERまとめは、10万回以上も閲覧されている。これもまとめたユーザーは地元出身者を名乗る。
また例の地域ブランド調査でも、地元からの「県民愛着度」(46位→41位)「自慢度」(46位→42位)はそれぞれ順位をアップしている。
「『なめんなよいばらき県』は、自分たちがどんな県なのかを改めて見直すとともに、『口下手・自慢しない』という県民性を変えようという機運が高まるきっかけになったと思います。何十年かけて作られてしまったイメージを変えることは、1年や2年ではできないが、粘り強く、県民1人1人がいいところを『自慢』していけば、茨城のイメージは変わるはず」
熱く語る平根さん。ところでイメージ......といえば、茨城県には、Jタウンネットでも以前取り上げた「ヤンキーが多い」という風評がある。「なめんなよいばらき」もそのイメージにあえて乗っかったものだが、その辺はどうなのか。この際なので聞いてみることにした。
("「茨城=ヤンキー」のイメージは、いつかなくなる!"に続く)