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首都圏で「居抜き」の小型フィットネス増加の事情

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.10.10 18:48
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大型化の傾向にあったフィットネスクラブだが、ここにきて居抜き物件を利用した「小型フィットネス」が都内を中心に急増中だ。

食品スーパーがフィットネスに!?

筆者が先日見かけたのは、新宿区内に新しくできたフィットネスクラブ。ビルの1階を使ってやっているのだが、

「あれっ、ついこないだまで食品スーパーだったのに......」

精肉などが比較的安く買えたお店が、ぜい肉を落とすためのフィットネスに早変わり。その時は単に驚いただけだったが、それから注意して街を見回してみると、こうした居抜きの小型店舗が、あちこちにあることに気付いた。

小型店舗は以下の点で共通している。

1.24時間営業
2.プールやスタジオがなく、トレーニングジムのみ
3.スタッフはだいたい1名で夜間は留守。その代わりセキュリティカメラがある
4.入浴はシャワーのみで湯船はない
5.総合型の月会費は1万円前後だが、それよりも数千円安い

2014年8月、筆者は東京メトロ有楽町線江戸川橋駅前にある「FASTGYM24」の無料体験キャンペーン(すでに終了)に参加した。

FASTGYM24はティップネスの新業態。2014年は首都圏を中心に10店舗、2020年までに200店舗の出店を目指すという。1号店は東京都豊島区要町に今年の3月10日開業した。

5店舗目の江戸川橋店は6月23日にオープン。月会費は店舗によって異なるが、同店は7200円(税別)となっている。

FASTGYM24江戸川橋店(写真は編集部撮影)

FASTGYM24江戸川橋店(写真は編集部撮影)

1階にファミリーマートが入っているビルの2階にクラブはある。駅入口はすぐ横だ。
セキュリティカードがないと入館できないため、電話予約した時間にインターフォンを鳴らし、スタッフに1階まで迎えに来てもらった。

ランニングマシンの台数は必要十分

ウェイトマシンはイタリアのテクノジム社製。
有酸素運動マシンは3種類。トレッドミル(ランニングマシン)が約10台あったほか、バイクとクロストレーナーもあった。
ベンチプレスやダンベルも設置されているが比較的空いている印象。

運動できるシューズなら土足で入れるのには驚いた。
またシャワールームはお湯だけで、シャンプーや液体せっけんはない。
更衣用の個室はあるけれども、大人数が一度に来店したら混雑しそうなので、ランニングコースの途中に小型フィットネスクラブを組み込み、着替えや入浴は自宅で済ます――。そんな利用法がベターかもしれない。

スタッフが少ないから逆にいい面もある?

経済産業省の産業活動分析によると、フィットネスクラブ利用者の中心は50歳代以上だ。それに対してスタッフは20~30歳代が多い。

筆者はフィットネスクラブ9社を利用した経験がある。地域のシニア層の憩いの場になっている一方で、利用客がスタッフに難癖をつけるシーンをしばしば目撃した。訳あってのことだろうが、嫌味な上司が部下をどなる姿にだぶって見えた。

FASTGYM24は日曜の昼間に1回来店しただけだが、利用者は20~40歳代で客質は悪くない。男性だけでなく、カップルや女性のお一人様もいる。

スタッフが少ない分、余計な摩擦が起きないよう利用者がマナー遵守を心がけているように見えた。1クール終わったら次の人に使用を譲るし、備え付けの雑巾で汗を拭く。

ヨガやエアロビのようなスタジオプログラムはないけれども、純粋に身体を鍛えたい経験者にとって使い勝手がよさそうだ。

小型店舗が増える背景は?

筆者が次に向かったのは、同じ有楽町線の地下鉄成増駅近くにある「デイオス24」だ。野村不動産系のフィットネスクラブ・メガロスの別業態で、成増店は2014年1月に1号店としてオープンした。月会費は6600円(税別)。

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こちらの店舗も居抜き物件で、駅出入口の隣にある。アポなし訪問だったが快く見学を受け入れてくれた。男性スタッフはがっしりとした体格で、話しぶりからして体力づくりに関する知識も豊富そう。

設備構成はFASTGYM24と基本的に一緒だが、施設面積が約391平方メートルでやや広め。FASTGYM24江戸川橋店のストレッチスペースはやや窮屈な印象を受けたが、デイオス24はゆったりしている。

成増店ができた理由についてスタッフに尋ねると、

「東京五輪開催で建築費が高騰していますからね」

と教えてくれた。
大型店舗に適した物件が減ってきていることや、3.11以降、電気代が上がっていることも影響しているに違いない。

北海道発のクラブが都内で勢力拡大中

そして10月14日、東京都練馬区に平和台店をオープンさせるのが、小型フィットネスで最大級の店舗数を誇る「JOYFiT(ジョイフィット)」だ。

ジョイフィット発祥の地は北海道帯広市。小型タイプのほかにスタジオやサウナを備えたタイプも展開しており、両タイプを合わせると全国に100以上の施設を有する。

平和台店は東京メトロ有楽町線・副都心線平和台駅から徒歩2分、三菱東京UFJ銀行の4階に入居する。工事が始まったのは9月15日過ぎ。約1カ月で営業開始にこぎつけた。

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10月9日にマシン機器搬入のため見学はこれから。店の周辺ではスタッフが熱心に勧誘のチラシを配っている。月会費は7618円(税別)と少々割高だが、価格相応の設備とサービスを期待したい。

「1、2年のうちに都内で小型店舗はもっと増えますよ」

女性限定の小型フィットネスクラブも増殖中だ。大手のルネッサンスや、アメリカ生まれのフランチャイズチェーン「カーブス」などが続々と展開を強化している。

あるお店のスタッフは、「1、2年のうちに都内で小型店舗はもっと増えますよ」と「予言」してみせた。東京五輪に向け、こうした小型フィットネスはますます増えそうだ。

東京23区内の小型フィットネスクラブ ※4チェーンのみ(編集部作成)

東京23区内の小型フィットネスクラブ ※4チェーンのみ(編集部作成)
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