加茂市長の「小中学生は自転車乗らないで」はやりすぎか
かく言う市長も自転車を愛用していた
注目したいのは、上記の文書の中で市長が、自身もかつては自転車を愛用していた、と語っていることだ。
「私も、若い頃は、自転車をこの上なく愛用し、サイクリングを楽しんでおりましたが、当時は、自動車はあまり通らない時代でございました。しかし、自動車がきわめて多く、ひんぱんに通るようになった、現在においては、私はとても危険なので、自転車に乗る気になれず、自転車の運転をやめざるをえなくなっております」
これを読むと、むしろ市長が危険だと感じているのは自転車というより、自転車を取り巻く交通環境だとも読める。
自転車乗らないで 小中学生に呼びかけ 加茂市 : 地域 : 読売新聞 http://t.co/MP9Iz0EltI ... 記事の内容を読むと、子供に対する交通教育を放棄したんじゃなくて自動車を運転する大人の再教育を諦めてるように見えるなあ。
— 笹本祐一@ミニスカ宇宙海賊12発売中 (@sasamotoU1) 2014, 10月 2
また市長も自転車の全面禁止を唱えているわけではない。先ほどの3項目に続いて、メッセージには以下の項目が記されている。
4 どうしても自転車に乗らなければならないときは、
(1)必ずヘルメットを着用するよう心がけて下さい。
(2)自動車がひんぱんに通る道へは、なるべく出ないように心がけましょう。
(3)先生や保護者の方々の御指導に従って、交通ルールをよく守って下さい。
(4)歩道を通ってもよいことになっているところは、歩道を通って下さい。
(5)暗くなってからの運転は、やめましょう。
真っ当な内容と言っていいだろう。
自転車は便利な乗り物だけれども、特別な場合のほかは自動車と同じ「車両」で、道路交通法とその関連法が適用される。
正しい交通ルールを知らなければ極端な話、歩いていても道路は危険だ。また18歳になればすぐに自動車運転免許を取る人もいる。
市長の「やりすぎ」を批判するのは簡単だが、私たち自身の交通マナー、さらに言えば「車が多すぎる」社会そのもののあり方も含めて問われるテーマではないだろうか。