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加茂市長の「小中学生は自転車乗らないで」はやりすぎか

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.10.03 11:17
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「越後の小京都」と呼ばれる新潟県加茂市は、県のほぼ中央に位置し、人口は約2万8000人。

そんな加茂市で、小池清彦市長(77)から小中学生に対し、「自転車には、なるべく乗らないようにするのがよい」という異例の文書が発表され、議論をよんでいる。

「なるべく徒歩かバス等を利用して」

2014年10月1日、市内の小中学生および保護者宛にあるメッセージが配布された。タイトルは「自転車の事故を完全になくするために」。
このメッセージを発表きっかけとなったのは、8月に発生した交通事故。自転車に乗っていた中学生が自動車にはねられて亡くなった。これに大いに心を痛めたであろう市長は、こう断言する。

「小中学生のいたましい自転車の事故を完全になくするための一番の方策は、なるべく自転車に乗らないようにすることであると私は考えます」

さらに小中学生向けの、4項目からなる呼びかけでは、

1 自動車がたくさん通る中で、自転車に乗ることは、きわめて危険であることは、誰もが認めることです。
2 自転車には、なるべく乗らないようにするのがよいと思います。
3 そして、なるべく徒歩かバス等を利用するのがよいと思います。

として、小中学生はなるべく自転車に乗らず、徒歩・バスで移動するよう求めた。

加茂市長が配布した文章は市のウェブサイトにもアップされている(写真は編集部撮影)
加茂市長が配布した文章は市のウェブサイトにもアップされている(写真は編集部撮影)

異例ともいえる「自転車乗らないで」宣言。目立つのは、市長に対する異論、反論だ。

かく言う市長も自転車を愛用していた

注目したいのは、上記の文書の中で市長が、自身もかつては自転車を愛用していた、と語っていることだ。

「私も、若い頃は、自転車をこの上なく愛用し、サイクリングを楽しんでおりましたが、当時は、自動車はあまり通らない時代でございました。しかし、自動車がきわめて多く、ひんぱんに通るようになった、現在においては、私はとても危険なので、自転車に乗る気になれず、自転車の運転をやめざるをえなくなっております」

これを読むと、むしろ市長が危険だと感じているのは自転車というより、自転車を取り巻く交通環境だとも読める。

また市長も自転車の全面禁止を唱えているわけではない。先ほどの3項目に続いて、メッセージには以下の項目が記されている。

4 どうしても自転車に乗らなければならないときは、
(1)必ずヘルメットを着用するよう心がけて下さい。
(2)自動車がひんぱんに通る道へは、なるべく出ないように心がけましょう。
(3)先生や保護者の方々の御指導に従って、交通ルールをよく守って下さい。
(4)歩道を通ってもよいことになっているところは、歩道を通って下さい。
(5)暗くなってからの運転は、やめましょう。

真っ当な内容と言っていいだろう。

自転車は便利な乗り物だけれども、特別な場合のほかは自動車と同じ「車両」で、道路交通法とその関連法が適用される。

正しい交通ルールを知らなければ極端な話、歩いていても道路は危険だ。また18歳になればすぐに自動車運転免許を取る人もいる。

市長の「やりすぎ」を批判するのは簡単だが、私たち自身の交通マナー、さらに言えば「車が多すぎる」社会そのもののあり方も含めて問われるテーマではないだろうか。

写真はイメージです(Hiroyuki Takedaさん撮影、Flickrより)
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