全国的には珍しい「錦織さん」、実は島根県にたくさんいる名字
全米オープンテニスを舞台に、錦織圭選手の快進撃が日本中を沸かせている。テレビ番組は相次いで錦織特集を組み、試合を放映するWOWOWには加入申し込みが殺到するなど、ここしばらく「錦織」の名はメディアを席巻中だ。
ところで、「錦織」という名前、皆さんは最初に見たとき、すぐに正しく読めただろうか?
島根県民の250人に1人は「錦織さん」
もちろん今は「にしこり」とテレビも連呼してくれているから、嫌が応でも覚えているだろうが、おそらく当初は「にしき...おり?」といった具合に、首をかしげる人も少なくなかっただろう。
「名字由来net」によれば、日本国内の「錦織」姓の人はおよそ11800人で、人口ランキングでは1469位だという。珍名とまでは言い難いが、だいたい1万人に1人だから、生涯「錦織さん」に出会うことがない人もそう珍しくはあるまい。比較的「マイナー」な名字と言っていいだろう。
ところがこの「錦織」姓が、非常に多い地域がある。
それが、錦織選手の故郷でもある島根県だ。同サイトによれば、島根県の「錦織さん」人口はおよそ3100人。だいたい県民の250人に1人が錦織姓だから、中学校や高校なら学校に2~3人ぐらいはいてもおかしくない計算になる。島根県に限れば、かなりの「メジャー」名字だ。
錦織姓の著名人の出身地を調べてみても、少年隊の錦織一清さん(東京都出身)を別にすれば、歌手の錦織健さん、元衆議院議員の錦織淳さん、陸上競技の錦織育子さんなど、そろって島根県出身だ。やはり島根生まれの映画監督・錦織良成さんは、「RAILWAYS」などの作品で故郷を舞台に作品を撮っている。
読み方は「にしきおり」「にしごり」「にしこおり」などいろいろ
話を「読み」に戻そう。
ニッキこと錦織一清さんが「にしきおり」と読むことからもわかるとおり、錦織という名字にはいろいろな読み方がある。
たとえば上述の錦織良成監督は、「にしこおり」。「にしこり」と似ているようで少し違う。このほかには、「にしごり」「にしごおり」など濁る人や、「にしきお」「にしおり」のように、一部が略された読み方をする人もいるという。同じ漢字で、これだけ読み方が多い名字も珍しいだろう。
何はともあれ、日本有数の「錦織県」である島根県から飛び出し、世界を相手に大活躍する錦織選手。筆者も同じ島根県出身者として、故郷に鮮やかな「錦」を飾る日を楽しみに待ちたい。