板橋区赤塚の激安服屋で、あの懐かし番組シャツが39円だった
東京都23区の北西部に位置する板橋区。アニメイトやカメラのペンタックス、体重計のタニタ、菓子の湖池屋などの本社があり、モスバーガー発祥の地もここ板橋だ。
庶民的な雰囲気が濃厚で、ハッピーロード大山や仲宿の商店街は激安品&グルメとして知られている。埼玉との県境近くは畑が残っていて、風の強い日には土ぼこりが舞うことも。
あの名作漫画もここで生まれた
板橋を舞台に描かれた傑作漫画の1つが「ハロー張りネズミ」。同区赤塚にある「あかつか探偵事務所」が数々の事件に挑むストーリーだ。作者は弘兼憲史さん。近年までこの周辺に住んでいたらしい。
奥様は同じく漫画家の柴門ふみさん。23区西部の中で赤塚は家賃相場が最安クラスだが、バブル期の名作「東京ラブストーリー」もこの町から生まれたといっても過言ではない。
東武東上線と東京メトロ有楽町線・副都心線が走り、池袋をはじめ有楽町、豊洲、新宿三丁目、原宿(明治神宮前)、渋谷、代官山、自由が丘、横浜まで乗り換えなしで行ける。
これが東京の下町プライスだ!?
赤塚自体はごく普通の住宅地だが商店街は活気にあふれている。板橋の商店街らしく品物の価格は安い。隣駅には延床面積が約6万3000平方メートルのイオン板橋店もあるのだが、「スーパーやコンビニには負けないぞ!」という店主たちの情熱が伝わってくる。
その一角でひときわ客を集めているのが「のとや」だ。激安価格の衣料品としてテレビでたびたび紹介されている。独自の仕入れルートで個性的な商品を集めており、老若男女問わず人気がある。筆者が訪れた土曜日の午後も家族連れや主婦で賑わっていたが、店頭に何気なく置いてあるTシャツは、言葉を失うほどの衝撃だった。
「ミル姉さん立体Tシャツ」。しかも本体価格が39円!
ミル姉さんとは、フジテレビ系で放送されていたコント番組「笑う犬」シリーズに登場したキャラクターだ。ウッチャンこと内村光良さんが乳用牛の格好に扮し、女優の桃井かおりさん風の口調で1人トーク&芝居をしていた。
その隣にはナンチャンこと南原清隆さんのTシャツも...。これは「はっぱ隊」だろうか。今をときめく脚本家・宮藤官九郎が企画と聞く。価格は同じ39円。このTシャツを着て「ヒルナンデス!」のスタジオ観覧を一度してみたくなった。
それにしても、「笑う犬の冒険」が放送終了したのは2001年。いったいどこからこんな商品を仕入れることができるのだろうか......。
「アイロン」「空気清浄器」(と書かれたTシャツ)が100円!
「笑う犬」関連商品以外にも個性的なアイテムを売っている。
「アイロン」「空気清浄機」と書かれたTシャツは本体価格100円。ポリエステル100%のメッシュ素材なので暑い夏にはピッタリ!?
肌着も145円で売っている。これまたバリュープライス。
店内をのぞくとポロシャツが450円くらいで売っていた。世間相場からすれば激安なのに、なぜか高級品に見えてしまうから不思議だ。
服だけでなくスニーカーやサンダルなども売っている。筆者が来店したときは確認できなかったが1円セールも時々やっているらしい。商品の回転は早そうだ。
アクセスは東京メトロ地下鉄赤塚駅で下車するのが便利。流行発信地の渋谷・原宿から乗車時間約28~31分、現金運賃片道240円で、違った東京を満喫できるかも。