甲子園の近所には、なぜ「甲×園」という地名がやたらあるのか
甲子園の季節到来。
Jタウンネットでも総力挙げて甲子園を大特集――と行きたいところだが、そこは新聞や専門サイトに譲り、ここではスポットとしての「甲子園」にまつわる話題を紹介したい。

「甲東園」は、地元の富豪のための別荘地兼果樹園。
そして阪神電鉄も1924年、整備中だった住宅街内の娯楽施設として「甲子園大運動場」を建設した。これがおなじみの「甲子園球場」だ。
その後、これらの遊園地やレジャー施設の多くは甲子園球場を除き廃れていったが、高級住宅街としては存続・発展した。こうして、「××園」という名前だけが、西宮には残ったわけだ。
ちなみに「甲風園」は、高級住宅地=××園というイメージができた後に、言い方は悪いが「便乗」する形で付けられた。遊園地などはない。
甲子園と甲陽園の「甲」は意味が違う
その中でも「甲×園」が多いのは、地元の甲山にちなんだもの。甲陽園は「甲山の南側(陽のあたるところ)」、甲東園は「甲山の東側」、甲風園も「甲山+高級な雰囲気のある『風』」といった理由で命名されている。
実は仲間外れなのが、一番有名な甲子園。球場が建設された年の干支が「甲子(きのえね)」だったことにちなんでいる。
「甲×園」という名前の背景には、近代以来の街の歴史がある。