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和歌山の珍名離島「ソビエト」めぐり、謎はさらに深まる...

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.08.05 19:24
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日本は約6850の島で構成されているが、そのうち人が住んでいるのは420ほどしかないという。無人島の中には名前がはっきりしないものもあるが、日本の領土であることを内外に示すため、政府は無人島に名前を付ける方針を打ち出している。

写真はイメージです(minato kaidouさん撮影、Flickrより)
無人島

2014年8月1日、政府の総合海洋政策本部は、日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の外縁を根拠づける約500の離島のうち、尖閣諸島の一部を含む158の無名の島の名称を決めた。公表された中に、「ソビエト」なる名前が含まれていることが話題になっている。

ソビエト和歌山では、離島があなたを命名する!

その島が存在する場所は和歌山県すさみ町。
命名にあたって政府は地元住民に聞き取り調査を実施し、その結果を尊重して付与したという。古くから釣り人にソビエトと呼ばれているそうだ。

たとえば地元紙「紀伊民報」の記事(2009年10月28日付)では、

「事故は19日午前10時50分ごろ、すさみ町江住の江須崎から西に約500メートルの通称『ソビエト』で発生。......」

というように紹介されている。

まさかのソビエト復活にびっくり

若い人は驚くかもしれないが、40代以上の人は学校の授業で次のように習っていた。

「ソビエト連邦は、昔ロシアという国名だった」

日本人にとってソビエト連邦(ソ連)は怖い国家だった。戦後日本の仮想敵国で、北海道には自衛隊の戦車軍団が配備され、警察組織はソ連の政治工作を警戒していた。
1983年に大韓航空機がソ連防空軍の戦闘機により撃墜されたり、ソ連海軍太平洋艦隊の空母「ミンスク」が日本近海を航行したりしたときは日本中が脅威を感じたものである。

そんな超大国ソビエト連邦は1991年にあっけなく解体。もはや遠い昔の出来事かと思いきや、まさかこんな形で「ソビエト」が復活するとは。ネットユーザーからは驚きの声が相次ぐ。

「どういう経緯があればソビエトなんて命名されるんだ?」
「そんな名前にしたら国取りソ連が奪いに来るぞ」
「ソビエトが国名だなんて知っている奴減っていくんだろうな」
「曽比江島とか聳え島が そびえとう ソビエト とか?」

それにしても、領有権を主張するために付けた名前が(すでに崩壊したとはいえ)他国の名前というのは、なんとも皮肉な話だ。

ちなみに残念ながらなぜ「ソビエト」になったのかは、町役場の人でもわからないのだという。ただ、付近では「ソビエト」という名前の島はほかにもいくつかある、という話もツイッターでは出ている。興味深い証言だが、本当だとすればなぜ「ソビエト」が複数あるのか、謎はさらに深まる。あるいは、すでに忘れ去られた何らかの出来事が、かつて一帯で起きたのかもしれない。

今回、ちょっと変わった名前が命名された島はほかにもある。日本という国は本当に奥深い。

  • 「坊主」(ぼうず)...鳥取県岩美町
  • 「茶釜」(ちゃがま)...兵庫県新温泉町
  • 「カラカサノイボ」...山形県酒田市
  • 「カメ根」...静岡県下田市
  • 「ヘソイシ」...青森県八戸市
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