「福井では知らないものはない」お菓子・羽二重餅を東京で入手! しかし実はルーツは...
ごくシンプルなお菓子だけど繊細
筆者が購入した商品を製造しているのは、市内に店を構える「松岡軒」。1905年に販売を始めた老舗だ。
縦19センチ×横12.5センチ×厚さ1.8センチの箱をまじまじと見つめる。プレミアム感ある作りで、高級絹の代名詞である「羽二重」の名を冠したお菓子にふさわしい。
開封すると、プラスチックの容器に横5センチ×縦3センチ×厚さ4ミリの餅が20枚詰められている。容器のフタはイージー・ピル方式なので、手で簡単にはがせる。
フタをあけると......白くてきれいな和菓子が現れた。原材料はビートグラニュー糖、国内産餅粉、水あめ、馬鈴薯デンプン。和菓子とはいえごくシンプルだ。
添付の楊枝を使い、2個口にほうり込む。「あんこも何もないのはどうかな」と食べる前は思ったが、なめらかな歯ごたえとほどよく効いた甘みは、誰に出しても喜ばれる味だ。
繊細な甘さなので、食前に刺激のあるものを食べないほうがいい。舌がマヒしていると、この美味しさを感じるのは厳しいからだ。飲み物はお茶や水が合う。炭酸飲料は論外だ。
ところで、羽二重餅のルーツはちょっと調べただけでも様々な説がある。市内の錦梅堂は初代が江戸後期(19世紀半ば)に考案したとしている。一方で松岡軒のウェブサイトには2代目が考案・命名したと書かれている。別のサイトには明治~大正期に同時多発的に誕生したとの説明がある。さらに「300年の歴史がある...」と宣伝している店もあった。それどころか、京都や愛知にも羽二重餅を売っている店がある。
同じ羽二重餅といっても個々の商品は微妙に異なるのかもしれないが......筆者は真実を知りたくなった。次の機会までに調査して、その結果をご報告したい。