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「逗子海岸が規制強化でピンチ」...は本当なの?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.07.23 17:21
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神奈川県逗子市は、古都・鎌倉市と皇族の御用邸がある葉山町に挟まれた、人口約5万7000人の小さな町である。
逗子海岸は海開きの早い海水浴場として知られている。今年は6月27日に海開きしたが、同日に施行された「安全で快適な逗子海水浴場の確保に関する条例及び施行規則」(以下、マナー条例という)が波紋を呼んでいる。

2月の逗子海岸(トトトさん撮影、Wikimedia Commonsより)
2月の逗子海岸(トトトさん撮影、Wikimedia Commonsより)

自由すぎた逗子海岸が一変

昨年まで逗子海岸の利用規制は比較的緩いものだったが、近年は利用客のマナー悪化が目立っていた。酒を飲んで酔っ払った人たちが大音量を鳴らして騒いだり、ケンカが発生したり――昨年7月には暴力団員が刃物で刺されて亡くなる事件も起きた。

こうした事態を憂慮した市は、日本一厳しいと評されるマナー条例を制定した。

条例及び施行規則の改正によって変わること(逗子市ウェブサイトより)
条例及び施行規則の改正によって変わること(逗子市ウェブサイトより)

たとえば、飲酒はこれまで「どこでも可能」だったのが海の家のみとなり、これまで条件付きでOKだった砂浜でのバーベキューもNGに。事業者が音楽などを流すことも禁止された。

ミュージシャンのキマグレンが運営するライブハウス「音霊(おとだま)」は同海岸の夏の風物詩だったが、規制強化の流れを受け、今年から会場を鎌倉・由比ガ浜に移している。

海水浴客の数は激減しており、逗子市の集計では前年の2割に満たないという。海の家に閑古鳥が鳴いているのは言うまでもない。

7月18日付の神奈川新聞によると、出店する約40店舗でつくる逗子海岸営業協同組合は、市の条例・規則に反発するものの、海開きから約2週間は市のルールに準拠。今月末まで継続することを決めた。
一方で組合役員らは今後も平井市長と面談し、8月や来夏の規制緩和について申し入れを重ねたい考えだという。

組合員の多くは地元で暮らす人たちだ。自主的にゴミ拾いをしたり、夜間にパトロールを実施したり、利用客にルール遵守を訴えてきた。利用者激減の影響で海の家の経営を心配する声も、地元の人から挙がっている。

家族が安心して楽しめる海水浴場は定着するか

この報道に接したネットユーザーの多くは、市の新方針に賛意を示している。今年の逗子海岸は波の音が聞こえる、素敵! という地元の声もある。

「酒を飲まない家族連れや騒がしいのを好まない人たちにはかなり好評じゃないか。」
「根気よく続けてればそういうのを好む人が集まるようになるよ」
「不良がいなくなって、しばらくしたら、家族連れとかが戻ってくるよ。」
「遠浅で鎌倉に比べて波も穏やか 、家族連れが来やすい海水浴場だから夏休み入ってからでしょ」

ところで、逗子市は大企業の保養所が数多く立地し、市内の披露山庭園は日本屈指の高級住宅地として知られている。一方で高齢化が著しく、7月1日現在で30.11%に達している。県全体が約23%であることを考えると相当高い。

セレブやファミリー、年配者が静かに楽しめる海岸――土地柄を考えるなら、その路線でアピールするのも悪くない選択かもしれない。

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