神戸では「やきそば」と「そばやき」は別の食べ物らしい...違いは「火力」にあった!
先日、Jタウンネットユーザーから1通の投稿をいただいた。2014年4月16日付記事「関西人でも兵庫人でもない「神戸人」。その見分け方&意外な風習とは?についてのコメントと思われるが、編集部はそこに書かれていた一文にハッと目を留めた。
「やきそば」と「そばやき」は別の食べ物。前者は中華料理屋、後者はお好み焼屋。(神戸市出身の大阪府・Mさん)
「そばやき」――という言葉は耳慣れないが、しかし「そば」を「焼く」のだから、名前は違っても結局は「やきそば」と同じようなものなんじゃないの? しかしMさんは「別の食べ物」と断言している。編集部では早速調査に乗り出した。
ケンミンshowで話題になった「そば焼き」は...?
調べていると、2012年7月5日放送「秘密のケンミンshow」(読売テレビ)が、神戸市新開地の飲食店トシヤのメニューを次のように紹介していることが分かった。
神戸市に住む兵庫県民は、日本そばをすき焼き風に焼いた、黒くて甘い焼きそば「そば焼き」が大好き!?
こちらは日本そばに真っ黒の特製タレをかけて炒め、さらにウスターソースを混ぜて炒めて作る。地元では知られた有名店で、同番組をキッカケに全国に知られるようになった。
レシピは異なるけれども、福井県にも日本そばを焼いて調理する「そばやき」が存在する。
これこそがMさんが言う「そばやき」なのか? もっとも、新開地のトシヤは定食屋。お好み焼き屋という条件とは少しずれている......。
お好み焼き通が絶賛する長田の店とは!?
次に「お好み焼き」と「そばやき」でAND検索してみた。すると――神戸市周辺のお好み焼き屋の名前が検索結果にずらーっと表示された。その中から見つけたブログ「神戸長田鉄板の鬼~燃えるそばめし魂~B級グルメ王~」には、次のように書かれている。
「真の長田人は、そば焼きを断じて焼きそばと呼ばない。」
「そば焼き(別名・・・焼きそば)は、お好み焼き界では、完全にお好み焼きの影に隠れた名脇役でありながら絶対になくてはならない存在である。」
ブログの管理人が絶賛する店が長田区二葉町にある「そば焼 いりちゃん」。これこそ投稿者が指摘していた「そばやき」とみた。
その後、あれこれ調べてみて納得。お好み焼き用の鉄板は火力が強い。またフライパンは底に熱い液体がたまるけれども、鉄板は水がたまらずすぐに蒸発する。そのような条件で麺を炒める「そばやき」は、なるほどフライパンで作るのとは別物なのだ。
......ということは、屋台で売っている焼きそばも「そばやき」になるということか!?
――うーん、何十年も生きてきて、この問題について深く考えたことは一度もなかった。今週末にでもお好み焼き屋に行って、鉄板で焼いた中華麺を味わってみることにしよう。