「嵐山モンキーパークいわたやま」の海外人気に見る外国人観光客の「ニーズ」
日本にやってくる欧米の観光客に人気の動物といえば「猿」。実はヨーロッパや北米に野生の猿は生息していない。日本人にとっては身近でも、欧米人にとっては珍しい生き物なのだ。
旅行口コミサイト・トリップアドバイザーが発表した「外国人に人気の日本の観光スポット 2014」によると、14位に「嵐山モンキーパークいわたやま」（京都市西区）がランクインした。15位の「兼六園」（石川県金沢市）や17位の「二条城」（京都市中京区）より順位が上というから驚く。
猿へのエサやりに「アメージング！」
アニメ「けいおん！！」ファンには有名な場所のだが、それを除けばこの観光スポットを知っている日本人は意外と少ないのではないか。
同パークは岩田山にある6000平方メートルの野猿公園で、ニホンザル約130頭が生活している。1954年に京都大学の研究用に野生のニホンザルが餌付けされるようになり、1957年に公開が始まった。山の麓は京都随一の景勝地嵐山で、市街地を一望できる絶好のロケーションにある。阪急電車嵐山駅から徒歩5分と交通の便もよい。
園内には金網で囲まれた休憩所があり、来場者はその中で猿にエサを与えることができる。動物が檻の中に入るのではなく、人間が檻に入って動物と触れ合うという発想に対して、多くの外国人観光客は好印象を持っているようだ。
Hung out with the macaque (Japanese monkeys) today. So friendly. #kyoto #arashiyama #monkeypark pic.twitter.com/DXGYqFaDk5
— Jaci Hernandez (@jaciherrr) 2014, 4月 20
（編集部訳）ニホンザルと遊ぶ。とてもフレンドリー －米国人女性
The whole Kyoto monkey park was a highlight. Humans are put in a cage and the monkeys all run free! #japan pic.twitter.com/KmPHPPuUqZ
— Charlotte Buxton (@CharlotteBuxto) 2014, 6月 1（編集部訳）モンキーパークは日本観光の目玉の一つだった。人間は檻の中に入れられ、猿が自由に動き回る！ －英国人女性
@JWiley_12 Climbing Monkey Mountain in Arashiyama near Kyoto and hand-feeding wild monkeys - amazing!
— Katy Ellis (@superconsole) 2014, 5月 30（編集部訳）嵐山モンキーパークに行って、猿にエサを与えた...アメージング！ －英国人女性
なお、日本の観光スポットランキングの21位には、猿が温泉に入る「地獄谷野猿公苑」（長野県山ノ内町）がランクインしている。こちらも外国人観光客が多く訪れることで知られている。
日本人は外国人向けの観光地というと、寺院などいかにも「日本」な名所か、あるいは「クールジャパン」的なスポット、を思い浮かべがちだ。しかしこのモンキーパーク人気を見ると、観光客たちの「ニーズ」は必ずしもそこだけではない、という事実を考えさせられる。