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コンビニがない八丈島で、Edyだけは何故かあちこちで使える理由

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.05.31 06:25
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東京から飛行機で1時間弱、フェリーで約10時間の南方にある離島・八丈島。島内には全国チェーンの店はほとんど見られず、セブン‐イレブンやローソンといったコンビニもない(個人営業の「コンビニ」を名乗る商店はある)。

ところが、面白いことに島内の多くの店舗では、電子マネー「楽天Edy」が使えてしまう。

八丈島で販売されている「宇喜多秀家」デザインのEdy
八丈島で販売されている「宇喜多秀家」デザインのEdy

都心ですら使えないお店が多いのに?

都内在住の筆者は、日ごろEdyなどの電子マネーをよく利用している。しかし、都心部ですらEdyが使えるのは、コンビニなどの全国展開している店舗がほとんどで、なかなか活用しきれていない、というのが正直なところだ。ファーストフード店ですら使えないところが少なくないし、行きつけのスーパーでもNG、結局はそれなりの現金を常備する羽目になっている。

一方、都心と比べればまるで別天地のようにのどかな八丈島では――。

自然豊かな八丈島の風景
自然豊かな八丈島の風景

島中心部――といっても、一般にイメージするような繁華街があるわけではないが――のスーパー。住民たちが日用品を求めて集まる、地方にはよくある雰囲気の店舗だ。あえて言うなら、食料品のコーナーに当然のように名産の「島寿司」や「くさや」が陣取っているのが八丈島らしいポイントか。お客の平均年齢も結構高い。

ところがレジからは、次々とシャリーン♪とあの音が。

ATMは珍しいがEdyはメジャー

見ると、ほとんどのレジに、Edyなどの電子マネー用デバイスが備え付けてある。また店の出入り口付近には、古びた公衆電話と並んで真新しいチャージ機器もあるではないか。

スーパーに設置されていたチャージ機器
スーパーに設置されていたチャージ機器

この店だけではない。筆者は八丈島を訪れた折、島のかなり広い地域を歩いたが、食事処や薬局、個人商店など少なくない店舗でEdyを利用することができた。滞在中はコンビニがないこともあり現金がなかなか下ろせず難儀したのだが、Edyのおかげで何とか食事にありつける場面が何度もあった。

サービスを展開する楽天によれば、島内の加盟店は約30店舗に及ぶという。人口8000人を切る町としては、かなり多いと言っていいだろう。

地域通貨としても期待

八丈島がEdyを積極的に導入し始めたのは、2012年のことだ。地元商工会と観光協会、そして楽天側が共同して、一挙に利用店舗数を拡大した。

いったいなぜか。八丈島から本州への足は、フェリーを別にすればANAが運航する羽田空港便だ。当然、住民、また島を訪れる人は、ほぼイコールANA利用者といえる。自然と貯まっていく「マイル」。そしてANAはEdyと提携しており、マイルはEdyと交換可能――ここまで来ればわかるだろう。八丈島の住民たちとEdyは、非常に「相性がいい」間柄なのだ。同様の試みは、同じく飛行機利用率が高い沖縄でもすでに行われている。

ある住民は、こう語る。

「仕事なんかで行き来してると、気が付いたら結構マイルが貯まってるんですよ。それをEdyに替えて、ちょっとした買い物をしたり......」

地元などでは、Edyを一種の「地域通貨」として機能させ、地域振興を図りたいとの狙いもある。常春の島に、「シャリーン♪」の音はこれからも響き続けるのか。

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