河村市長「名古屋城天守閣を木造建築に!」→市民の支持たったの15%
市民は意外とクール
根強い反対論がある中で、市は、2013年2月21日から3月3日にかけてネットアンケートを実施した。モニター447人から有効回答を得ている。
その結果が先日公表されたが、「現在の天守閣を今後どのようにしていくとよいと思いますか」という問いに対しては、71%の人が「現在の天守閣を存続させて、耐震補強や改修を行う」に賛意を示している。一方「現在の天守閣を解体して、木造で復元する」を支持した人は15.3%しかいなかった。
また「名古屋城の魅力向上のために必要だと思うことはなんですか(複数回答可)」という設問に対しては、「花や緑の豊かな自然環境の維持」が50.6%の支持を集め、「まつりやイベントの充実」が49.2%、「櫓や門など歴史的建造物の復元・修復」が42.2%と続いた。河村市長が推す「天守閣の木造復元」は、18.2%しか集まらなかった。
世界的に通用する観光拠点に育てたいという市長の考えと、市民の憩いの場としての充実を望む市民との意見の食い違いが露呈した形だ。
名古屋市は市税の伸びが期待できない中、市民税の恒久減税を実施している。市債残高は大阪市や京都市ほどではないものの、福祉・医療費などの扶助費は年々増加しており、余裕のある財務状態とはとてもいえない。
現在のコンクリート大天守もあと50年の寿命があると言われている。「今急いで立て直さなくても。現在の建物もそれなりに皆に愛されているのだし」というのが市民の本音というところだろう。