群馬県のお葬式会場の受付に行くと、「一般」とは別に「新生活」という札が掲げられていることが多い。他県の人が見たら驚くに違いない謎の文字、実は香典の受付だ。
新大学生や新社会人、新婚カップルが始める新しい生活をイメージする人も多いだろうが、これは第二次世界大戦の終戦直後、冠婚葬祭の虚礼廃止を目的にはじまった「新生活運動」の一環。敗戦直後の人々にとって贈答のやり取りは経済的負担が大きかった。それを軽減するために全国で始まった。
高度成長とともに新生活は人々の間から忘れ去られていったが、群馬県を中心とする北関東でこの運動は定着する。