群馬のお葬式にある「新生活」ってなんだ?
群馬県のお葬式会場の受付に行くと、「一般」とは別に「新生活」という札が掲げられていることが多い。他県の人が見たら驚くに違いない謎の文字、実は香典の受付だ。
新大学生や新社会人、新婚カップルが始める新しい生活をイメージする人も多いだろうが、これは第二次世界大戦の終戦直後、冠婚葬祭の虚礼廃止を目的にはじまった「新生活運動」の一環。敗戦直後の人々にとって贈答のやり取りは経済的負担が大きかった。それを軽減するために全国で始まった。
高度成長とともに新生活は人々の間から忘れ去られていったが、群馬県を中心とする北関東でこの運動は定着する。
「香典は、1000円で」
高崎市のウェブサイトに「新生活運動の推進」というページがあり、申し合わせ事項として次のように書かれている。
[葬儀の場合]
・香典は、1000円にしましょう
・お返しは辞退し、礼状のみ受け取るようにしましょう
・施主は会葬の御礼状を用意し、お返しは用意しないようにしましょう
・通夜では弔問者にお清め(カップ酒、砂糖等)は用意しないようにしましょう
[結婚式の場合]
・会費制で行いましょう
[病気見舞いの場合]
・見舞いは、1000円にしましょう
・快気祝い(お返し)はしないようにしましょう
[その他のお祝いの場合]
・出産祝い、節句、新築祝いなどは、1000円にしましょう
実際の相場は2000円から3000円程度。専用の香典袋は県内のコンビニやスーパーでは普通に売っていて、表に「新生活運動の趣旨に添ってお返しを辞退致します。」と書かれている。通常の香典袋に自分で「新生活」と三文字書いても構わない。
お返しは辞退のつもりでも、遺族側で1000円程度の返礼品を用意しているケースが多い。また香典に包む金額が多い人は「一般」に並ぶ。
なお、法事以外のお祝い事で「新生活」はあまり実践されていないらしい。
そこで、読者の方々に質問。
葬儀で「新生活」という受付を見たことがありますか?
下記の選択肢から選んでください(結果は、都道府県別に集計されます)。見たことがあるという人は、目撃した場所とその典礼に参加したときのエピソードをコメント欄に投稿いただければ幸いです。