「鳥取県産マンガ」クラウドファンディングで出版に挑戦
鳥取・米子の漫画制作会社「ラ・コミック」は、古事記をモチーフにしたストーリー漫画「女神十神」の新作を出版するため、パトロン(支援者)を募集している。
神話ゆかりの地・山陰のPR目指す
パトロンというと資産家や企業を思い浮かべる人も多いだろうが、ラ・コミックは、ネットを通じて不特定多数の人に出資を募る「クラウドファンディング」という仕組みを利用する。
女神十神は、古事記をモチーフにしたストーリー漫画で、主人公ナムジがカミの国を舞台に味方や敵となる女神たちと戦いながら成長していく物語だ。神話ゆかりの地が多い山陰地方をPRするため、「純・鳥取県産」漫画として企画された。第1話は、ラ・コミック運営のまんが・イラスト工房「ラコスタ」で1部1000円で販売している。
クラウドファンディングを利用する理由について、ラ・コミックのウェブサイトには次のように書かれている。
「自費出版なので、原稿料無しはしかたないのですが、2話以降の印刷代を捻出する事が出来ません...!このままではプロジェクトそのものが止まってしまうかもしれない...ということで、この度クラウドファンディングに挑戦し、みなさんの支援をお願いしたいと思いました。出資金25万円は印刷費用にあてさせて頂きます」

自費出版の新しい形になるか?
「CAMPFIRE」プロジェクトページのコメント欄には応援のメッセージがいくつか寄せられている。
「出版はリスクが大きいから、いい方法かも。米子からハリーポッターなみのヒットがでるよう、がんばりなはれ。」
「自費出版でこういう形式、目新しい!Line漫画とかの構造とはまた違う作者⇔読者双方向直結型デジタル構造なんですね!」
支援者は「リターン」という名目で様々なアイテムがもらえる。出資額は500円からだが、金額が多いほどリターンの内容はグレートアップする。女神十神の場合、5万円拠出すると、第1話電子書籍、第1話書籍、第2話書籍(特装版)、ポストカードセット(レア版)、非売品ポスター、オリジナルTシャツ、設定イラスト集、PV入りDVDなどが贈呈される。
パトロンになりたい人は会員登録が必要だ。受付は既に始まっており、1月27日午後2時の時点で16万9500円が集まった。うち2人は5万円ずつ支援している。
募集期間は2014年4月11日0時まで。目標額以上集まると、手数料20%を差し引いた残りがプロジェクトのリーダーに配分される。目標額に達しなかった場合、お金やリターンのやりとりはいっさい発生しない。