なぜ名古屋の街には「パトランプ」がやたらクルクルしてるのか
パトカーや救急車、消防車などの緊急車両の上に付けられている「パトランプ」という回転灯。これが名古屋で一番売れていると、2013年12月8日放送の「スパニチ!!」(TBS系)が紹介していた。
国内シェア70%以上を占めるメーカー、パトライト(本社・大阪市)の調べによると、購入金額が日本一多いのは名古屋市。2位が大阪市で、3位が東京都23区、4位が神奈川・横浜市、5位が埼玉・さいたま市という結果だった。
最初は宣伝、いまでは「営業確認」
東京・大阪を抑えて、名古屋が日本一なのはなぜか。現場に向かった番組スタッフは目を疑った。街のいたるところでパトランプが点滅しているではないか。寿司屋やラーメン店、コンビニの看板までパトランプがクルクル回っている。
観察すると、喫茶店の看板にパトランプが特に多い。喫茶飲食生活衛生同業組合副理事長の鈴木国央さんは、番組の電話取材にこう答えた。
「名古屋市は喫茶店が多いので、(客の目を引くよう)アピールするためにパトランプを付けております」
名古屋の喫茶店といえば、1人当たりの店舗数が全国1位。コーヒーを頼むとサラダやトースト、茶わん蒸しなどがついてくる豪華なモーニングで客を奪い合う、日本一の激戦区だ。
実はパトランプ普及には、この喫茶店が深く関係している。昭和40年代、ある喫茶店が客の目を引くために看板に取り付けたところ、他店もマネするようになり、いつしか市内で爆発的に広まってしまった。
街中パトランプだらけだと宣伝効果はあるのか疑問のあるところだが、ネット上では「店が営業中か否かが一目で分かるので便利」という意見があがっていた。パトランプのない店は繁盛しないというジンクスもあるという。