大阪人には「準主役」「食の必需品」 牛丼に「紅しょうが」山盛りは当たり前!
他県民から見ると「なんでそこまで?」と言いたくなるほど、大阪人が大好きなのが「紅しょうが」だ。2013年10月24日の「秘密のケンミンshow」(日本テレビ系)では、その驚くべき熱愛ぶりについて放送していた。
「紅しょうがは好きですか?」という質問に対して、街角の大阪人は絶賛の嵐だ。商店街の浪速マダムは「恐ろしく好きです」とその愛情を表現し、「焼きそばと紅しょうがのバランスが3対2でもいいくらい」とまで言う。
20代の女性は「紅しょうが嫌いな人おらんのちゃうん?」というし、白髪の熟年男性も「ビジュアル的にも良いですし、ピリッとしてくれますし、準主役みたいな存在です。牛丼の味が3倍4倍にもパワーアップする」と賛辞を惜しまない。
彼らにとって紅しょうがは単なる脇役ではなく、主役級の役目を果たしているようだ。「人工的な色と味がダメ」という紅しょうが嫌いの編集部員は、信じられないと驚いていた。
大阪のスーパーでは、焼きそばなどに使われる千切りの紅しょうがだけでなく、タコ焼きやお好み焼きに使われるみじん切りや、平切りにスライスされた天ぷら用、そして丸ごとのものが、それぞれビニールパックで売っている。
天ぷら専門店やスーパーでは、堂々「紅しょうがの天ぷら」が販売されている。「天ぷらに紅しょうがは合うでしょ。エビの天ぷらと一緒で主役級な感じですね」(若い男性)。
とある弁当屋では「紅しょうがおにぎり」が売られている。番組が取材した家庭では、だし巻き卵に紅しょうがを入れていた。街頭インタビューでは、次のような食べ方をしている人もいた。
「卵かけご飯に紅しょうがを刻んだヤツをまぶして食べます」
「冷奴に紅しょうがを乗せて食べます」
「味噌汁にちょっと入れる」
スナック菓子の「かっぱえびせん」には、近畿地方限定の「紅しょうが天味」バージョンまで存在する。東京では見かけたことがないのだが...。
大阪府民はどれくらいの量を消費するのか。阿倍野の牛丼屋では、女性が紅しょうがを6回もすくっていた。中年男性は、牛丼の味が変わってしまうのではないかと心配になるほどの量を投入していた。
「足らなかったらまた頼む。コーヒーにクリープみたいなもんですわ」
それにしても、大阪府民の紅しょうがに対する情熱はすさまじい。辻調理師専門学校グループの教授は、その理由を次のように語っていた。
「梅干しを漬けた後の梅酢にしょうがを付けたのが、紅しょうがの始まりとも言われています。無駄を出したくない大阪府民の性質に非常にあった食材ではないでしょうか。ソースに合った食材で、紅しょうがのもつ酸味や辛味が非常にマッチします」
番組が取材した店では、1日で2キログラムほど消費されるという。「無駄を出したくない大阪府民の性質」だけで、これだけの量を食べるのは無理だ。やっぱり他県人には理解できない味への強い偏愛があるのだろう。