ポケモンGO規制論の裏で...「解放区」鳥取県では、想像以上の観光効果が起きていた!
その盛り上がりに水を差すかのように、ポケモンGOを規制するべきだ、と気を吐く施設や地方は後を絶たない。人々が楽しんでいる姿とは裏腹に、何やらネガティブな話題ばかりが取り上げられている気がしたJタウンネット編集部は、「ゲーム解放区」として注目を集めている鳥取県に取材を行い、受け入れによるあれこれを聞いた。
Ingressプレイヤーが鳥取砂丘の杭100本以上をポータルとして登録していたことで、ポケモンGOにおいてもポケストップが密集する一大スポットと化した鳥取砂丘を「ゲーム解放区」としたことは記憶に新しい。
障害物が無く、車も通らない砂丘とポケモンGOの相性はばっちり。専用サイト「とっとりGO」を用意し、足元灯を設置するなど、県からの本気の姿勢も伝わってくる。そんな鳥取県に話を伺った。
「ゲーム解放区」宣言に関して、鳥取県広報課の担当者は、
「(ポケモンGOの)配信日の7月22日時点では特に何かしようというのはありませんでした。しかし、24日に実際にプレイをした平井知事が、砂丘でなら安全にプレイできるのではないか、と提案し、25日には「スナホ・ゲーム解放区」として宣言しました」
と語った。知事自らが舵を取っての宣言だったという。
また、ゲーム解放区発表を様々なメディアが取り上げことで、単に訪問者が増える以上の効果があったという。
「夏休みということで砂丘を訪れる人は元々多かったのですが、宣言以降はプレイする人が更に増えました。
かつては鳥取砂丘と言えば馬の背(一番目立つ丘)を目指して一直線に上るという観光客の方が殆どでしたが、ポケストップが全体に散らばっているため、砂丘の様々な場所をくまなく歩く方が増えました。それによって、砂丘の動植物に興味を示す人も増えたと聞いています」
更に、連日の猛暑もいい方向に作用した。
「暑い昼を避けて夕方や夜に訪れる人も多くなったので、砂丘の違った一面も徐々に知られるようになりました。そういった今まで知らなかった光景を目にして感動した、という声も見かけるようになりました」
鳥取砂丘というと白い砂と青空、海のコントラストのイメージが強いが、日本海に沈む夕日を望む夕方、イカ釣り舟の漁火が砂丘を照らす夜と、時間帯によって違う景色を見ることが出来る。
周囲の風景なども楽しんでほしい――公式サイトにも書かれたトレーナーへのお願いは、順調に達成されつつあるようだ。
気になるトレーナーを受け入れたことによる事故や問題については、
「今のところ特に大きな事故などは起きていません。1つ問題となったのは、夜間に灯りが足りないということでしたが、そちらは既に対応が完了しております。今後何か問題が起きたら随時対応していく予定です」
とのこと。マナーを守ってプレイする限り、ゲーム解放区は続いていくことだろう。