カレーの「ルー」の位置、「右」派が全国的に多数!「左」が多い県は?
インド発祥のカレーは英国を経由して日本に伝わり、今や幅広い世代に愛されている国民食だ。最初は飲食店で食べるものだったが、カレールーやレトルトなどが登場して、家庭でも気軽に食べられるようになった。
高級レストランなどで注文すると、ご飯は皿、ルーはソースポットと別々の食器に盛られていることが多い。ところが日本ではたいていご飯とルーが1つの皿に盛られている。
気にする人はあんまりいないだろうが、ルーをどの方向に向けるかは意外と深い問題だ。
「単なる好みの問題じゃない?」とツッコミが入るのは承知の上で、Jタウンネット編集部では「カレー食べるとき、ルーはどっち側に向ける?」というテーマでアンケートを実施した。2015年1月23日から4月6日までの74日間で、1107人に投票いただいた。
6つの選択肢からどれか1つを選ぶというもので、全国で最も多かったのは「右」で45.0%、次いで多かったのが「左」の37.6%、「手前」の8.4%だった。この3つで全体の91.0%を占める。
都道府県別に見ると、日本海側で「右」、西日本の太平洋側で「左」の割合が若干高い。
ただし、投票傾向が極端な県、例えば「右」または「左」の一方の得票率が80%だった県は岩手・石川・鳥取・鹿児島・沖縄の4県しかなかった。
これらの県の得票数は2ケタに届かず、実態と乖離している可能性は否定できない。
ご当地カレーのパイオニアである「横須賀海軍カレー」で有名な神奈川や、カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)の本社がある愛知の2県は、「左」の得票数が最も高かったが、その得票率は40%に満たない。要するに分散傾向にある。
また、上の日本地図で斜線となっている福井は「左」と「手前」が50%ずつ、和歌山は「右」と「左」が42.9%ずつ、徳島も「右」と「左」が40%ずつ、国の家計調査でルーの購入量が高い佐賀は「右」と「手前」で50%ずつだった。
和食は右に汁物、左にご飯を配するのが決まり。これに準ずるならルーが「右」、ご飯が「左」となりそうだが、アンケート結果を見る限り関連性はあまりなさそうだ。
ところで、「混ぜる」は全体で2.2%の得票率しかないが、大阪は8.3%と他県よりも高め。 そういえば難波には、ご飯とルー、生玉子をかき混ぜて食べる「自由軒」がある。その影響があると見られる。
日本の家庭にカレーが定着した背景には、食品メーカーの努力が大きい。ハウス食品の「即席ホームカレー」「ハウス印度カレー」「バーモンドカレー」や大塚食品の「ボンカレー」、エースコックの「カレーヌードル」、日清食品の「カップヌードル カレー」、グリコ「LEE」――。みんな大阪で育った会社が開発したものだ。
型にはまらない発想から偉大な商品が生まれたことを考えれば、ルーの向きは人それぞれでいいのかもしれない。