深センと香港が知的財産・イノベーションハブ創設に向けた「16措置」公布で協調
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【深セン(中国)2023年2月27日新華社=共同通信JBN】Authority of Qianhai Shenzhen-Hong Kong Modern Service Industry Cooperation Zone of Shenzhen Municipality(深セン市前海・深セン-香港近代サービス産業協力区管理局)とCommerce and Economic Development Bureau of the Government of the Hong Kong Special Administrative Region(香港特別行政区政府商務・経済開発局)が共同で公布した16 Co-operation Measures for the Development of the Qianhai Shenzhen-Hong Kong Intellectual Property and Innovation Hub(16 Measures)(前海・深セン-香港知的財産・イノベーションハブ開発への16項目の協力措置、略称「16措置」)が2月23日に発効した。これは知的財産(IP)分野での深センと香港の協力水準の引き上げを示すだけでなく、「香港を国家の発展に統合するための主要な選択肢となる地域の建設」と知的財産・イノベーションハブに向けた前海の歩みが一段と前進することも表している。
16措置は、深センと香港間のIP規則と制度の調和促進、前海での香港のIP利用と移転の支援、境界を超えたIPサービスの育成、前海・深セン-香港IP・イノベーションハブの開発-という4つの主要分野での戦略にまたがっていると理解されている。16措置により、主要企業と香港の大学、またはR&D(研究・開発)センターが共同で設立する技術移転センターは、実際の運営経費の50%(年間最大100万元)が助成される。さらに、前海に進出する香港もしくは国際的なIPサービスプロバイダーは、最大200万元の助成金を受ける権利が与えられる。
一部のアナリストは、前海を「橋頭堡」として活用することにより、16措置は香港のIPサービスプロバイダーが中国本土市場に進出するのに効果的に役立つだろうとみている。さらに、既に前海に展開しているIP産業企業が香港の特有の強みとプラットフォームを利用して国際市場とつながり、それぞれ独自の発展速度を上げる可能性がある点も注目される。
Purplevine IP Group (Shenzhen) Co, Ltd.のVictor YANG社長兼最高経営責任者(CEO)は、16措置は前海の企業がこの地域で地歩を固めるプロセスを加速するだろうと述べた。
YANG氏は、16措置が将来を見据えたものであり、これらによってより幅広い展望が具体化されるとみている。重要な指導施策のひとつは、IPの価値が市場でより大きく反映されるようにするためのIP運用の促進と支援である。16措置は高度に標的が絞られた戦略を提供する。「最高水準の制度と規則を統合して作り上げることで、“離島”がつながった」。深セン、広東・香港・マカオ大湾区(Guangdong-Hong Kong-Macao Greater Bay Area、GBA)、それに世界の他の地域と効果的につながっている前海のIP・イノベーションハブの確立は、サービスを結び付け、クラスター化する際の問題を解決し、効率改善をもたらすだろう。新たなハブは重要な人材を引き付け、法律、技術、財務、ビジネスなどに特化したIPサービス専門家の需要を満たしていくだろう。
統計によると、前海の企業は2022年に2万1742件の新規特許認可を獲得し、762件の特許協力条約(PCT)申請を提出し、1万1864件の有効発明特許を保有した。知的財産に関連する司法、行政、仲裁、公証、法務サービスを網羅する包括的な保護制度が前海で具体化しつつある。
ソース:Authority of Qianhai Shenzhen-Hong Kong Modern Service Industry Cooperation Zone