「第20回 企業フィランソロピー大賞」決定
~自社の経営資源を活用した社会貢献を顕彰~
2022年12月21日
公益社団法人日本フィランソロピー協会(JPA)
公益社団法人日本フィランソロピー協会 (東京都千代田区/会長:浅野史郎、理事長:高橋陽子) は「第20回企業フィランソロピー大賞」の贈呈先(受賞企業)を下記のとおり決定しました。
本賞は、社会の課題解決のために自社の経営資源(人材・ノウハウ・技術・情報など)を有機的・持続的に活用した社会貢献活動を顕彰するものです。SDGs達成が不可欠な課題となっている今日、そうした企業を広く社会に発信することにより、公正で温もりと活力ある社会を次世代に伝えることを目的として2003年に創設しました。
★企業フィランソロピー大賞
パナソニック ホールディングス株式会社(大阪府門真市)
★企業フィランソロピー賞
【未来をひらくスキル賞】
アクセンチュア株式会社 (東京都港区)
【つなぐ被災地、語り部文化賞】
株式会社阿部長商店 (宮城県気仙沼市)
【皆で支えるコミュニティ賞】
大和リース株式会社 (大阪市)
【ソーシャル×建築賞】
千年建設株式会社 (名古屋市)
【こころのフィンテック賞】
株式会社フィノバレー (東京都港区)
※企業名50音順
<贈呈式>
・日時:2023年3月3日(金) 15時より
・会場:学士会館320号室(東京都千代田区神田錦町3-28)
【選考のポイント】
革新性 : 固定観念や既成概念にとらわれず、先駆的に行動し新たな社会価値を創造している。
継続性 : 一過性に終わることなく、真摯に活動を継続している。
波及性 : 従業員はじめステークホルダーの参画、他企業や他セクターとの連携など社内外への広がりがみられる。
経営との関連性 : 経営陣の関与・経営理念との関連性が明確である。
経営資源の活用 : 事業活動により培われた経営資源(人材・ノウハウ・技術・情報など)を活用している。
【選考委員】(敬称略)
委員長 國部 克彦 神戸大学大学院 経営学研究科長 経営学部長
井手 明子 東北電力株式会社、住友商事株式会社 社外取締役
佐藤 雄二郎 株式会社共同通信社 顧問
渋澤 健 コモンズ投信株式会社 取締役会長
【公益社団法人日本フィランソロピー協会(JPA)について】
1963年設立、1991年よりフィランソロピーの推進事業を開始。2009年に公益社団法人としての認定を受ける。企業のCSR・社会貢献担当者を対象とした定例セミナーや機関誌 『フィランソロピー』 の出版などの各種事業を通じて、民間の果たす公益の主体となる企業や個人の社会参加意識を高め、公正で活力ある心豊かな社会の実現を目指す。
会員企業は132社(2022年12月現在)。
ホームページ:https://www.philanthropy.or.jp/
本件に関する問い合わせ先
公益社団法人日本フィランソロピー協会 企業フィランソロピー大賞事務局
担当:牛尾和弘(うしお・かずひろ)
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1新大手町ビル244
TEL 03-5205-7580 FAX 03-5205-7585
贈呈対象活動と贈呈理由
★企業フィランソロピー大賞
パナソニック ホールディングス株式会社
<対象活動> 「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」
<贈呈理由>
NPO/NGOの組織基盤強化に対する取り組みを通じて、市民活動の持続発展、社会課題の解決、さらに社会変革に貢献することを目的に2001年より活動を展開している。社会課題の解決や新しい社会価値の創造など、NPO/NGOに寄せられる社会からの期待が増大する一方、NPO自身の組織課題の解決や組織基盤の強化など、問題を抱えている組織は多い。同プログラムは、そこにいち早く着目し、支援の評価の仕組み化やプロボノ活動を通じた従業員の参画などを通じ、NPO/NGOへの伴走を継続・発展してきた。SDGs達成に向けて重要な担い手でもある非営利公益セクターの持続可能な成長のための、長年にわたる地道でかつ発展的な努力を称えたい。
★企業フィランソロピー賞
『未来をひらくスキル賞』 アクセンチュア株式会社
<対象活動> 「Skills to Succeed」(スキルによる発展)
<贈呈理由>
世界で展開する「Skills to Succeed」は人々が自らの力で人生を切り拓く後押しをするもの。より多くの々に「就業や起業に関わるスキル構築の機会を提供し、経済活動への参加と貢献を可能にする」ことを目指している。社員の知識や技術などの資産を活かすことにより、誰もが活躍できるインクルーシブな未来を構築することを目標にした本取り組みは、10年以上の期間、多くのテーマについて、年間150名が最大6ヶ月間参加し、業務同様評価も実施されている。より良い世界をつくる原動力となる機会の創出とその社会的責任を果たそうとする取り組みの継続性と質の高さは、圧倒的であり、人的資本経営を見据えた取り組みとして評価したい。
『つなぐ被災地、語り部文化賞』 株式会社阿部長商店(あべちょうしょうてん)
<対象活動> KATARIBEカルチャーの創成
<贈呈理由>
阿部長商店が経営する南三陸ホテル観洋は2011年3月11日の東日本大震災時に自ら被災しながら約600名の避難者を受け入れた。所有する多目的ホールの高野会館は震災遺構として保存している。このような経験を通じて始めた「KATARIBEプロジェクト」は震災経験の風化防止だけでなく、命を守ることの大切さを共有する貴重な学びの場になっている。その学びを南三陸に留めることなく、「全国被災地語り部シンポジウムin東北」を開催する等、国内はもとより、海外へも発信し続けている。いのちの重みを語り、伝え続ける語り部文化の伝承が、いのちを守る覚悟を共有するものとなることを期待したい。
『皆で支えるコミュニティ賞』 大和リース株式会社
<対象活動> 商業施設がもつ新しい公益機能「コミュニティフリッジ」の設置協働
<贈呈理由>
大和リースが開設運営する商業施設「ブランチ岡山北長瀬」(岡山市北区)内の立体駐車場に隣接する倉庫で、シングルマザー等の生活困窮者に食料品や日用品を提供する日本初の取り組み「コミュニティフリッジ」を展開する。一般社団法人北長瀬エリアマネジメントとの協働で運営。登録すれば電子ロックを渡され、かつ利用者の匿名性も担保され、24時間利用可能である。物品は地域内の企業や個人からの寄贈。市民のお互い様の精神と企業資源、NPOのネットワークなどを活かして運営している。全国への拡がりが期待できる汎用性のある取り組みとして評価したい。
* コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫) = コミュニティの中で食べ物や日用品を共有できるようにする相互扶助プロジェクト
『ソーシャル×建築賞』 千年建設株式会社(ちとせけんせつ)
<対象活動> 生活困窮者向け居住支援事業「LivEQuality事業」 (リブ クオリティ事業)
<贈呈理由>
生活困窮家庭の中でも特に母子家庭は、住まい探しに困難を抱えることが多い。この社会課題に建設会社の営繕能力の強みを活かし、子育てと仕事の両立が不可欠な母子家庭に利便性と高品質な物件を低家賃で提供している。また、住まいの提供に留まらず、入居後の支援をNPO法人LivEQuality HUBを通じて自立までサポートする流れを実現した。特に新型コロナウイルス感染拡大以降、非正規雇用の女性の経済的貧困に伴う居住貧困が深刻化している現状を打破する試みとして高く評価できる。
『こころのフィンテック賞』 株式会社フィノバレー
<贈呈対象> コロナ禍で経済的に困窮する親子への食の支援プロジェクト(Table for Kids)
<贈呈理由>
認定特定非営利活動法人夢職人の運営する「Table for Kids」と組み、全国各地で展開するデジタル通貨プラットフォーム「MoneyEasy」のシステムを無償で提供。行政・企業・団体・個人の寄付金・助成金をもとに、一定条件を満たした3歳児から高校生までの子どものいる家庭に対し、協力加盟店で利用できる無料デジタルクーポン「カケハシコイン」を提供。食の支援を行っている。デジタル通貨の拡大に伴い、貧困問題と取り組む新たな可能性を拡げている。
第1回から第19回までの贈呈先は当協会ホームページをご参照ください。
https://www.philanthropy.or.jp/award/