Whetron Electronicsはいかにしてセンシング技術で国際的なインテリジェント車両市場に参入したか?
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Whetron Electronicsはいかにしてセンシング技術で国際的なインテリジェント車両市場に参入したか?
*ホンダ、フォード、マツダのEVセンサーは全て台湾製
【台北2022年11月17日PR Newswire】
この記事は、FusionMediumのテクノロジーオンラインメディア「TechOrange」が行ったインタビューに基づいており、許可を得て公開されている。
Whetron Electronicsは、自動車用電子機器分野へのプロバイダーとして1983年に設立された。創業以来40年以上にわたり、盗難防止、駐車支援から先進運転支援システム(ADAS)まで、センシングを中心とした同社の車両システムのラインアップは、優れた性能を発揮してきた。
Whetron ElectronicsのAlex Cho副社長兼最高戦略責任者は「車載センサーは今や、単一のセンシングユニットが動作しているのではなく、それぞれが目的を持った異なるセンサーの集合体で、その結果、現在の車載センサーの数は、10年前に必要だった数の数十倍になっている」と語った。
コアテクノロジー、綿密な技術研究、勤勉さが優れた業界パフォーマンスを実現
Whetron Electronicsは、1983年に創業するとすぐに自動車用電子機器分野に参入、フォードに遠隔操作の盗難防止装置の提供を始めた。同社はその後40年以上にわたり、盗難防止、駐車支援からADASまで、センシングを中心とした車両システムでおなじみになった。40年以上にわたる経験と技術の蓄積により、同社の車載センサーの能力は、フォード、マツダ、トヨタ、三菱など業界大手の多くに広く認められている。
優れた技術とサービスにより、Whetron Electronicsは顧客と長期的関係を維持し、2015年にはホンダへの超音波レーダーの独占サプライヤーとなり、インテリジェント車両用エレクトロニクスのリーダーとしての地位を確立した。
道路、交通状況、地形、気候状況は千差万別で、さまざまな状況下でセンシングシステムを正しく動作させるには、経験とループの繰り返しが必要である。「数多くの予期せぬ事態が、常に起きる」のだ。
Cho氏によると、例えば急な起伏の多い山道を走る場合、坂道が傾斜しすぎて前方と後方のミリ波レーダーが車外の物体を正しく検出して反応できなくなる。これは、自動車メーカーとしては受け入れ難い。そこで同社は、レーダーの識別精度を95%以上に高めるため、8カ月にわたって自動車メーカーと路上テストを繰り返し、納得のいく解決策が見つかるまでアルゴリズムの修正を繰り返した。これは、同社が豊富な測定経験を生かして盲点の問題を克服し、ドライバーに優れた品質とサービスを提供した事例の1つに過ぎない。
自動車メーカーとの協業の進展
車両センシングシステムが単一センサーからマルチセンシングへと徐々に移行するにつれ、センシングシステムメーカーが直面する課題はますます複雑になっている。競争の激しいカーエレクトロニクス市場において、Whetron Electronicsの技術中心の優位性はさらに際立つと予想される。
これらの課題を克服するため、センシングシステムメーカーは自動車メーカーと緊密に協力する必要がある。過去40年にわたりWhetron Electronicsと自動車メーカーの間に築かれた暗黙の意思疎通と信頼関係は、インテリジェントカーや運転手不要車開発の確固たる基盤となり、最も有益なセンシングソリューションの設計、提供につながった。
Cho氏は、同社が前進しようとする過程で、台湾経済部工業局(Industrial Development Bureau)のSmart Electronics Industry Promotion Office(スマートエレクトロニクス産業計画推進室、SIPO)が設立したAI on Chip Industry Cooperation Strategic Alliance(AIオンチップ産業提携戦略アライアンスが、業界全体の情報共有、国内外のメーカーとの協力につながる交流、国際資源へのアクセス、ビジネスチャンス支援を提供してくれたと語った。こうした支援はいずれもWhetron Electronicsにとってかけがえのないものとなり、同社が世界の自動車用電子機器市場への進出を加速させるという目標を達成するのに役立った。
時流に乗り、EVのトレンドを先取り
Whetron Electronicsは、自動車メーカーや自動車エンジンメーカーといち早く提携し、運転機能と駐車機能を兼ね備えたインテリジェント電気自動車(EV)の市場にいち早く参入した。
Cho氏は、自動車の駐車機能と運転機能は通常、常に2つの独立したシステムで制御されているが、車両の電子・電気アーキテクチャー全体は分散型から集中型へと徐々にシフトしてきたと指摘。コスト、消費電力、車両重量の削減により、運転システムと駐車システムの統合はもはや困難な課題ではなくなった。
台湾のカーエレクトロニクス産業のサプライチェーンにおける重要コンポーネントであるWhetron Electronicsは市場で自信を示しており、Cho氏は「台湾は情報通信技術(ICT)産業のハードウエアとソフトウエアの両方に優れており、ADAS研究でも優位に立っている。当社は、台湾がEV、自律走行車市場で重要な役割を果たすのに理想的な立場にあると考えている」と締めくくった。
▽メディア問い合わせ先
Shine Chiu
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(日本語リリース:クライアント提供)