革新的な浜江区:中国のシリコンバレーを育んだ居心地のいい川沿いの地区
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【杭州(中国)2022年11月14日新華社=共同通信JBN】中国東部・浙江省の浜江区、およびHangzhou National High-tech Industrial Development Zone(杭州ハイテク産業開発区)で11月13日、2022年シリコンバレー・エリートサロンとシリコンバレー人材ウイークが始まり、世界の人材を引き付ける浜江区の取り組みが脚光を浴びている。
浙江省の省都でデジタル経済大手アリババの本拠地の杭州は、中国全土でトップのデジタル経済都市として知られる。杭州の13県級区の中で、浜江区はこの分野の最前線にいる。
浜江は、荘厳な海嘯(かいしょう)で名高い浙江省最大の河川、銭塘江に沿っており、文字通りの意味は「川辺」で、美しくのんびりした名前に由来する。しかし、それは浜江区の一面しか明らかにしていない。
この地区は旧浜江と杭州ハイテク産業開発区の間にある総合行政エリアである。銭塘江の下流域南岸にある川辺エリアでは、壮大な「世界最大の海嘯」を楽しむだけでなく、最先端デジタル技術革新トレンドを体験することもできる。
浜江区では便利なデジタルライフサービスに加え、特に従来の製造部門でデジタル経済がオンラインからオフラインに移行している。浜江は現在、インテリジェントなインターネットオブシングス(IoT)、スマート製造、デジタルヘルスサービスなど画期的な産業エコロジーを構築している。Information Office of the People's Government of Hangzhou Binjiang District(杭州浜江区人民政府新聞弁公室)によると、浜江は今や、省内のデジタル経済開発とスマート製造産業のハイランドになっている。
浜江に本社を構えるZhejiang Geely Holding Groupは製造に熟達している。20年以上前に自動車製造を開始したこの民間企業は近年、インテリジェント製造の道を歩み始めた。同社は世界で唯一、衛星通信・測位、高精度の地図・ナビゲーション、自動車チップ、ソフトウエアとハードウエアのフルスタックの自己調査を備えた自動車のメーカーである。
2015年に北京に設立された新興自動車企業、Leapmotorはわずか7年で、完全独立の知的財産権を伴う中国初の自動車用AIインテリジェント駆動チップを独自開発した。今年9月には香港株式市場に上場を果たしている。
GeelyとLeapmotorのインテリジェント製造記録の加速は、両本社の多くの高品質研究・開発(R&D)人材と不可分である。浜江区には、より現代的に聞こえる別名「Silicon Valley in Paradise(楽園のシリコンバレー)」がある。
シリコンバレーのように、浜江区は全国、さらに世界から、この地で夢を追求する多くの人材を引き付けている。
サイバーセキュリティーのスター企業DAS-Securityを創業したFan Yuan氏もその1人だ。同氏は米国のシリコンバレーで数年過ごしたあと中国帰国を選択し、浜江に落ち着いた。10人のチーム、小さな部屋2つだけでスタートしたこのスタートアップ企業は現在、社名が付いた21階建てのビルを所有している。
DAS-Securityはわずか15年で、無名の企業から世界のサイバーセキュリティー企業トップ500社のリーディングプレーヤーに浮上し、中国のNASDAQとして知られる科創板(Science and technology innovation board)に上場している。
Fan氏が起業した初期段階の重大局面で会社は資金が足りなくなり、担保不足で銀行融資を断られた。当時の手元資金は、約1カ月分の事業運営を賄うにすぎなかった。
幸いにも、浜江の人材事務所が助けに入り、初のベンチャーキャピタル事業契約の調印を支援することにより、同氏は苦境を乗り切ることができた。
DAS-Securityの高層ビル最上階に立つと、浜江の「Internet of Things Town(インターネットオブシングス・タウン)」全体を見渡せる。1.4平方キロのタウン中核部には1400社以上のハイテク企業が集結しており、うち16社が上場している。
Fan Yuan氏同様、これらの企業の多くの人材は、浜江のハイレベルな専門家のイノベーションと起業家精神をサポートする人材育成プログラムの受益者である。2010年に開始されたこのプログラムは、浙江省でそれまで類を見ないものだった。プログラムは人材流入を引き付けてハイレベルの技術を導入し、後に産業で成長するプロジェクトに転換することを目指している。このようにして、浜江は徐々にシリコンバレーのような活況を呈するテク・インキュベーターに昇りつめた。
そこで働くFan Yuan氏のような人々にとって、浜江はキャリア開発に記録を残せる場所であるだけでなく、住みやすい楽園でもある。浜江の産業発展は急速に進んでいるが、生活は地区名が示す通り快適、健康、自然である。
銭塘江の河岸では、さまざまな色彩の走路数本が10キロ以上伸びている。空から見下ろすと、川岸に埋め込まれた踊る五芒星(ごぼうせい)のように、色とりどりの走路が西から東に広がっている。さらに、河岸地域全体に大小の公園が散らばり、地元住民が自然に触れやすくなっている。
浜江は走路と公園に加えて、スポーツファンの「楽園」の評判にふさわしい。ここにはHangzhou Olympic Sports Center Stadium、Tennis Center Finals Hall、Binjiang District Stadiumなど来年杭州で開催される第19回アジア大会の主要会場がある。
独特のデザインで名高いアジア大会の3会場は、大会延期を受けて一般公開されている。多くのスポーツ、フィットネス会場は、仕事帰りに体を鍛えたい人々に幅広い選択肢を提供している。
ハイテクインキュベーターと住みやすい環境がある浜江は、急速な産業発展とゆとりあるライフスタイルの双方に適した貴重な場所である。
ソース:The Information Office of the People's Government of Hangzhou Binjiang District
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(画像説明:浜江のHangzhou Olympic Sports Center StadiumとTennis Center Finals Hall(上)と杭州ハイテク産業開発区(浜江区)の鳥観図(下))