中国・シンガポール広州ナレッジシティー:知識創造の新しい高地を創出し、開放と協力の実証区を構築する
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【広州(中国)2022年11月7日新華社=共同通信JBN】11月1日、第18回China-Singapore Joint Council for Bilateral Cooperation(中国・シンガポール2国間協力連合委員会、JCBC)がシンガポールで開幕した。会合の結果、「China-Singapore Guangzhou Knowledge City(中国・シンガポール広州ナレッジシティー、CSGKS)の産業開発とイノベーションへのシンガポール企業の参加を促進する協力枠組みの開発に関する覚書」など19件の了解覚書(MOU)と協力協定が締結された。この会合はまた、広東・香港・マカオ大湾区に位置するCSGKSの将来の発展に有望な道筋を提供した。
CSGKS Cooperation Affairs Office(CSGKS協力事務弁公室)の委員会当局者によると、MOUの締結は、CSGKSがシンガポールなどの国々からより多くの革新的ハイテク企業を引き付け、科学技術イノベーションの分野でシンガポールとの協力を一層深め、シンガポール企業がCSGKSの産業開発およびイノベーションに全面的に参加することをサポートし、CSGKSをシンガポール企業が投資するのに望ましい場所として磨き上げるのに寄与する。
China-Singapore International Joint Research Institute(中国シンガポール国際連合研究院)は、中国とシンガポールの協力と科学技術イノベーションの成果転換の重要なプラットフォームを構築することを目的としており、シンガポールの産学研統合の経験とシステムを活用し、9つの産業化システムを策定した。これには、知的財産支援政策の実施規則と、イノベーションと起業を促進するための複数の規制が含まれる。シンガポールの南洋理工大学に代表される国際的なハイレベル人材のグループを引き付け、研究院でプロジェクトを設定し、成果の転換を促進した。
今年3月1日に施行された広東省CSGKS条例は、国家および省級の経済建設管理の権限を、立法によってCSGKSの管理委員会に委譲し、中国とシンガポールの国家レベルの2国間協力プロジェクトで顕著な成果を上げた。
今年6月、科学技術イノベーションとスマートシティー建設における協力を深める主要プロジェクトの1つであるChina-Singapore Smart Park(中国・シンガポールスマートパーク)が、総投資額14億元で正式に開業した。NCS Greater Bay Area Fintech Delivery Center(大湾区フィンテックデリバリーセンター)、SP Group、Guangzhou Lion TCR、Star 3D Oral digital Medicineなど、60以上の産業化プロジェクトを導入した。
一方、中国とシンガポールが共同で建設した産業イノベーションの担い手であるAscendas OneHub GKCの第1期工業パークには400社以上の企業が入居し、3000人が雇用されている。シンガポール国立大学のGuangzhou Innovation Institute(広州イノベーション研究所)は、学生を募集しようとしており、10年間で約3000人のハイレベル人材を育成することを約束し、シンガポール国立大学の中国最大の総合旗艦プロジェクトになることを目指している。
近年、生物医学、デジタル経済、グリーン開発などの主要分野における中国とシンガポール間の協力プロジェクトがCSGKSで開始された:
*生物医学に関しては、Biosyngenは中国南部で最大の免疫細胞医薬品の商業生産拠点を構築した。世界有数のTCR-T細胞療法企業であるLion TCR(シンガポール)はGMP細胞生産拠点を建設し、同社の中国本社として機能させる予定である。
*デジタル経済に関しては、シンガポールテレコムの完全子会社であるNCSは、CSGKSを選択してGreater Bay Area Fintech Delivery Centerを設立し、第1段階の運用を開始した。センターには、年末に500人のIT専門家が配置される見通しで、5G、デジタルツイン、ブロックチェーンなどのテクノロジーの開発を加速し、クロスボーダーイノベーション・エコシステムを構築する。
*グリーン開発に関しては、SP Groupとの間で、Knowledge Tower(ナレッジタワー)プロジェクトを皮切りに、地域のエネルギープロジェクト(冷暖房を含む)の投資、建設、運営を実施し、China-Singapore International Scientific and Technological Innovation Cooperation Demonstration Zone(中国・シンガポール国際科学技術イノベーション協力実証区)など他の地域に徐々に展開するための契約を締結した。
*金融サービスに関しては、シンガポール証券取引所との間で協力MOUが締結され、国有企業3社による累計発行規模13億4000万ドルのグリーンボンドの発行を促進し、国際金融市場とのつながりを深めた。
中国とシンガポールの2国間協力の重要な担い手でありイノベーションモデルであるCSGKCは、大湾区に重要な結節点を構築し、世界の知識経済の高地になろうと努めている。今後、CSGKCは「一帯一路」構想と地域的な包括的経済連携(RCEP)の開発戦略をさらに統合し、制度的開放のレベルを引き続き向上させ、シンガポールとのデジタル経済とグリーン開発における協力を深め、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国および他市場の可能性を引き出し、中国の知恵に満ちた新しい国際協力プログラムと展望をより多く世界に示していく。
ソース:CSGKS Cooperation Affairs Office