超軽量化ロボット実現へ 従来比約90%の減量に成功
超高分子量ポリエチレン・ギヤの搭載でカーボンニュートラル社会の実現へ貢献
2022年10月27日
早稲田大学
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発表のポイント
ロボットに搭載する、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)製の軽量・低摩擦なギヤを開発しました。
従来の金属ギヤに替えて新しく開発したギヤを搭載するだけで、約3%のロボット駆動時のエネルギー消費低減と、約89%の軽量化を達成しました。
さらにオイルレス駆動によるメンテナンスフリー、低騒音効果などももたらされ、地球にも人にも優しく、社会に受け入れられやすいロボットの実現に期待が持たれています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202210278848-O1-T953uHYy】
早稲田大学理工学術院総合研究所の大谷拓也(おおたにたくや)次席研究員ならびに同大理工学術院の高西淳夫(たかにしあつお)教授らの研究グループは、株式会社hide kasuga 1896 および、三井化学株式会社との共同研究により、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)製*の軽量・低摩擦なギヤを開発しました。さらに、従来のギヤに替えてこのギヤをロボットの指部に搭載するだけで、従来の金属ギヤに比べて約3%のエネルギー消費低減、約89%の軽量化を達成することができました。この開発により、さまざまなロボットのエネルギー消費低減につながり、カーボンニュートラル社会実現への一助となることが期待されています。
本研究成果は世界最大の学術研究団体であり、全世界に40万人を超える会員を有する米国電子電気学会(IEEE)発行の『IEEE access』に2022年9月19日(月)(現地時間)に掲載されました。
論文名:Energy Efficiency Improvement of a Robotic Finger with Ultra High Molecular Weight Polyethylene Gear
また、2022年12月16日(金)に株式会社hide kasuga 1896が保有する東京・表参道の「gallery de kasuga」にて、研究成果の展示イベントを行います。
*超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)
UHMW-PEとは、一般的に平均分子量が1.0×106以上と非常に高く、通常のポリエチレンや他のエンジニアリングプラスチックよりも優れた摺動特性、耐摩耗性、衝撃強度を示すポリエチレンの一種です。