マルチテナント型物流施設「DPL草加」躯体耐用年数の算定結果について200年が妥当なことを第三者機関が確認
2022年9月28日
大和ハウス工業株式会社
代表取締役社長 芳井 敬一
大阪市北区梅田3-3-5
大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:芳井 敬一)が開発したマルチテナント型物流施設(※1)「DPL草加」(埼玉県草加市、地上5階建て、敷地面積:25,983.66㎡、延床面積:51,007.91㎡)の躯体耐用年数の算定結果について、200年が妥当なことを第三者機関が確認しましたので、お知らせします。
※1. 複数のお客さまが入居できる物流施設のこと。
国土交通省が2019年4月に策定した「新不動産ビジョン2030」では、官民共通目標の1つとして「ストック型社会の実現」が掲げられています。「スクラップ&ビルド」というフロー型社会から省資源なストック型社会への脱却が求められる中、建築物の長寿命化は、資産価値の高い社会資本として将来世代に引き継ぐと同時に、廃棄物や資源・エネルギー消費の削減にも寄与し、省資源なストック型社会の実現につながります。
当社グループでは、サステナブルな社会の実現のため、創業100周年となる2055年を見据えた環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」を策定し、グループ、グローバル、サプライチェーンを通じて「環境負荷ゼロ」の実現を目指しています。
そのような中、当社は「DPL草加」の躯体耐用年数の算定結果について、200年が妥当なことを第三者機関が確認しました。また、建物を適切に維持・管理することを前提に、200年間継続して使用することの経済面・環境面等も検証した結果、その有用性も示されました。
今後、当社は当検証を通じて、建物の長寿命化に対する設計・施工のノウハウを蓄積し、お客さまのニー
ズに合わせた幅広い提案とストック型社会の推進に努めます。
●ポイント
1.躯体耐用年数の算定結果について200年が妥当なことを第三者機関が確認
2.建物を長寿命化することで、経済面・環境面で有用性があることを検証
1.躯体耐用年数の算定結果について200年が妥当なことを第三者機関が確認
当社はこれまで、ZEH・ZEBの推進や太陽光発電設備の設置など、サステナブルな社会の実現のため、様々な環境活動に取り組んでまいりました。また、事業活動においても、「RE100」(再エネ利用100%)の達成を当初目標の2040年度から2023年度に前倒しするとともに、2030年度の温室効果ガス排出量を2015年度比70%削減するなど、「環境負荷ゼロ」の実現を目指しています。
そしてこのたび、「DPL草加」の躯体耐用年数を基準に基づき算定した結果、構造体および部材が200年間設計限界状態に達しないことを確認しました。(※2)また、第三者機関(※3)が作成した建築物の構造躯体の耐用年数算定確認結果報告書『建築物の構造躯体の耐用年数算定「DPL草加プロジェクト」(2021年10月22日)』において、その算定結果が妥当であることも確認されました。
※2. 耐震安全性および構造躯体以外の部分は対象外。
※3. 審査者:一般財団法人ベターリビング、算定支援者:デロイト トーマツ PRS株式会社。
2.建物を長寿命化することで、経済面・環境面で有用性があることを検証
当検証では、「DPL草加」と、同規模の比較対象建築物(以下、「一般構造倉庫」)(※4)の比較・検証を行いました。(※5)
「DPL草加」は、プレキャストプレストレストコンクリート造一部鉄骨造・杭頭免震の構造で、200年間建て替えを行わず、適切な保守管理・修繕更新・バリューアップ等が実施されることを前提とし、一般構造倉庫は65年ごとに建て替えることを想定して検証しました。
※4. 当社物流施設で一般的な鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、免震システムのない物流施設。
※5. 検証:日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社。当比較・検証は、一般構造倉庫の建て替え期間を65年とするなど、一定の条件を満たしていることが前提。
(1)経済面での有用性
ライフサイクルコスト(建設費+修繕更新費)では、「DPL草加」が200年間の平均で約7,300万円/年の減額効果(減額率約32%)があり、200年間のNOI(運営純収益)では、約57億円のコストメリットがあることが見込まれました。
なお、当検証においては、適切な維持・管理を行うことで、耐用年数も200年間維持されることを想定して費用等の検証を行いました。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M000427/202209287311/_prw_PT1fl_XS9m8FIF.png】
(2)環境面での有用性
CO2排出削減量においては、一般構造倉庫よりも「DPL草加」の方が建て替え回数が減ることや工法の違いにより、200年間で103,449t-CO2(※6)の削減効果(削減率83.4%)が見込まれました。
今後、当社は当検証を通じて、建物の長寿命化に対する設計・施工のノウハウを蓄積し、お客さまのニーズに合わせた幅広い提案とストック型社会の推進に努めます。
※6. 東京ドーム約2,500個分の杉の木が1年間で吸収する量(林野庁HP:森林のCO2吸収量の数値を参考に計算)。
■「DPL草加」建物概要
名称:「DPL草加」
所在地:埼玉県草加市松江5-758
交通:東京外環自動車道「草加インターチェンジ」より約4km(車で約8分)、首都高速道「八潮南インターチェンジ」より約4km(車で約8分)、東武スカイツリーライン「草加駅」より徒歩約20分
敷地面積:25,983.66㎡(7,860.05坪)
建築面積:10,371.76㎡(3,137.45坪)
延床面積:51,007.91㎡(15,429.89坪)
賃貸面積:49,334.14㎡(14,923.57坪)
構造・規模 :プレキャストプレストレストコンクリート造一部鉄骨造、杭頭免震・地上5階建て
建物用途 :マルチテナント型物流施設
設計:松尾建設株式会社
施工:松尾・大豊建設JV
着工:2019年12月1日
竣工:2021年2月26日