検査動作のバーチャルティーチングで、生産設備立ち上げ期間を90%短縮
ロボット統合コントローラーに新機能を拡充 熟練技術者に頼る複雑な目視検査を自動化し、急な増産を支援
オムロン株式会社(本社: 京都市下京区、代表取締役社長CEO: 山田義仁)は、生産設備を構成するロボットと制御機器をOneコントローラーで統合制御する、「ロボット統合コントローラー」のシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3D シミュレーション」にオフライン教示機能を4月15日に拡充します。
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【オフライン機能を拡充するシミュレーションソフトウェアSysmac Studio 3Dシミュレーション】
製造現場では、熟練した技術者の不足に加え、出荷前の検査項目が増加、複雑化することで多くの時間を要するといった課題があります。しかし、製造現場での自動化が進む一方で、複雑な製品の検査は、熟練技術者の経験値と目視に頼ることが多いことから、自動化がなかなか進んでいませんでした。また、熟練技術者に頼った設備開発体制は、自動化が進む一方で、実機調整に工数がかかり改善が求められています。
今回、Sysmac Studio3Dシミュレーションに新たな機能を拡充したことで、製品検査のためのカメラを取り付けたアームロボットの動作をバーチャルでティーチングすることが可能になります。具体的には、20~30点の検査項目がある自動車部品のティーチングは、従来の現物、実機での準備作業では、1日を要していたものが、新機能を使用すると机上で、約1時間で完了することができます。また、バーチャルでのティーチングは、コロナ禍でリモート勤務を余儀なくされても遠隔での立上げや、PC上で事前準備が出来るため、現場作業は微調整作業のみとなり人手不足に悩む製造現場に従事する作業者の負担軽減が可能です。バーチャル上での作業が可能となることで、今までティーチングには、検査対象となる実物の製品が必要でしたが、製品設計中でもCADデータがあれば、検査対象をバーチャルで3D化し、ティーチングを行えるため、新商品の生産立上げの時短にもつながります。
オムロンは、多様化・複雑化する製造現場のDX化を「ロボット統合コントローラー」と「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を通して促進し、お客様の課題を解決してまいります。
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【外観検査の設定を実機からバーチャルに移行し、工数を90%削減】
【今回の追加機能の特長】
現場・現物作業を短縮する3Dシミュレーションを使った3つの新機能
仮想撮影機能により、撮影状態をオフライン上で確認できるため、カメラ位置や画角が正しいか判断できます。
対象物へのスナップ機能(位置教示)により、ロボットのハンド位置やカメラの焦点位置を正確に指定することができます。カメラ、ロボット、検査ワークの座標を自働演算しロボットの移動位置を教示可能です。
ロボットパスプランニング機能により、ロボットハンドやワークを持った状態で障害物を回避する経路が自動生成できるため、ロボットのティーチング作業が早く、簡単になります。
【ロボット統合コントローラーの特長】
業界初、ロボットと制御機器の制御を一体化する「ロボット統合コントローラー」は、ロボットと周辺機器をシームレスに統合。人でしかできなかった複雑な作業を高度に自動化する「制御の統合」と、リアルとバーチャルでの正確なシミュレーション技術によって、システム構築からメンテナンスまでを効率化する「構築プロセスの統合」、この2つの統合で、ロボットを組み込んだ革新的なアプリケーションを提供します。オムロンはモノづくりに必要な「各種制御機器群」と、これまで培った豊富なアプリケーションナレッジと技術で、動作を止めない検査・アライメントのアプリケーションや、匠の技を高度に自動化したアプリケーションを実現します。
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【ロボット統合コントローラーで、周辺機器とロボットを1つで制御】
【Sysmac Studio 3D シミュレーションの特長】
ロボット統合コントローラーを活用することで、設備全体をデジタルで再現し、実機と同等の精度で動作を簡単に検証できるシミュレーションソフトウェア。顧客が自社で開発するカスタムロボットや、パートナー企業の機器も含めた設備全体のシミュレーションも可能。オムロンが保有するロボットを含めた豊富な制御機器群に加え、顧客のカスタムロボット、パートナー企業の機器も含め幅広く設備全体を検証できることで、製造業の生産能力向上と、設備の立ち上げから保全までを短期間で実現することに貢献しています。
*¹90%削減:検査項目数が20以上と多く、実機での準備作業に長時間(約1日など)を要する場合、仮想空間上での検査設定で削減される現場作業工数を算出(2022年3月:当社調べ)。
<“i-Automation!" について>
オムロンは、製造業のモノづくり現場を革新するコンセプトを"i-Automation!"のもと、次の3つの"i"からなる オートメーションの進化によって 製造現場の生産性を飛躍的に高め、付加価値の高いモノづくりの実現を目指しています。「integrated(制御進化)」は、これまで熟練工に頼っていた匠の技を、誰もが簡単に実現できるよう、オートメーション技術を進化させます。「intelligent(知能化)」は、幅広い制御機 器と AI を活用し、機械が自ら学習して状態を保全するなど、進化し続ける装置や生産ラインを実現します。「interactive(人と機械の新しい協調)」は、同じワークスペースで人と機械が共に働き、機械が人の動きや考えを理解しアシストするなど、生産現場を知り尽くす制御機器メーカーのオムロンならではの、人と機械の新しい協調関係を提供します。
<オムロン株式会社について>
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機 器、電子部品、社会システム、ヘルスケア、環境など多岐にわたる事業を展開しています。1933 年に創業したオムロンは、いまでは全世界 で約 30,000 名の社員を擁し、約 120 の国と地域で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.co.jp/ をご参照ください。