FIF設立15周年記念 地域創生セミナー 「DXが切り拓く地域と日本の未来」開催報告ニュースレター
2022年3月28日
フューチャー イノベーション フォーラム
フューチャー株式会社(証券コード:4722)が運営する社会貢献団体フューチャー イノベーション フォーラム(代表:金丸恭文・フューチャー株式会社会長兼社長、以下FIF)は、設立15周年を記念し2022年2月4日に「地域創生」をテーマとした特別ウェビナーを開催しました。労働人口の減少や過疎化など日本社会が抱える課題に向き合いながら気仙沼、山形庄内、岐阜を拠点に企業経営に携わる方々を登壇者に迎え、地域でのビジネス展開や地域活性のヒントを共有いただきました。本ニュースレターでは、その一部をご紹介します。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203259082-O1-K784w94h】
気仙沼発 世界に愛される"未来の老舗"を目指して
株式会社気仙沼ニッティング 代表取締役 御手洗 瑞子
ブータン王国で産業育成に従事していた際に起こった東日本大震災をきっかけに「東北のために、働く人が誇りを持ち、自立していける仕事を作りたい」と考えるようになり、大きな被害を受けた気仙沼で「気仙沼ニッティング」を立ち上げました。気仙沼は遠洋漁業の港町です。失敗を恐れず「やってみっぺ」と船を出してみる気質は新たなチャレンジがしやすい土地の空気を醸成し、外からの人を大切にする文化が若い移住者を引き寄せています。地域によって気質も違えば、課題の乗り越え方も違います。エネルギー溢れる若者には、まず「やってみる」姿勢で挑戦してほしいと思っています。
御手洗 瑞子 プロフィール
東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2010年ブータン政府初代首相フェローとして産業育成に従事。東日本大震災を機に帰国し、高品質の手編みセーターやカーディガンを届ける「気仙沼ニッティング」の事業を立ち上げる。2013年より現職。
山形庄内をモデルに、未来にときめく社会を創る
ヤマガタデザイン株式会社 代表取締役 山中 大介
山形庄内で、田んぼに浮かぶ日本最大級の木造ホテルや全天候型の児童教育施設、地元企業と全国の若者をマッチングする web ポータル、持続可能な有機農業など、「観光」「教育」「人材」「農業」の領域で事業に取り組み、人間性・経済性・環境性のバランスを取りながら成長していく社会の実現を目指しています。若年層の流出や経済の縮小など庄内の地域課題を解決することは、日本全国の地域が抱える共通の課題を解決することに繋がると考えています。自分が住む地域や地元を盛り立てたいという人は多くいますが、大事なのは最初から完璧さを求めるのではなく、まずはスタートを切ることです。
山中 大介 プロフィール
東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、三井不動産で大型商業施設の開発と運営に従事。2014年に山形県庄内地方に家族で移住し、街づくりを担うヤマガタデザイン株式会社を設立。地域と全国から資本調達(34億円)し、山形庄内から全国にも展開可能な課題解決のモデルづくりに挑む。
快適かつ長く働ける環境を 〜岐阜eSPORTSの取組み
株式会社eSPORTS 代表取締役社長 河野 絢
岐阜を拠点にスポーツ・アウトドア用品を中心とした総合ショッピングサイトを運営しています。コロナ禍において業務継続のためテレワーク体制への移行に踏み切った際、 DX 推進には IT ツールの導入以上に組織や制度の見直しが重要であると痛感しました。社会の変化に対応するだけではなく、変革後の体制を長く維持することが大切だと思います。地域で事業を展開するメリットは、もともとそこにある自然を活用した特色のあるアピールができることです。地域の特徴と事業としてやりたいことの掛け算がうまくいくと事業推進の強力な後押しになります。
河野 絢 プロフィール
フューチャーアーキテクト入社後、2018年よりグループ企業の株式会社eSPORTS代表取締役に就任。「充実した余暇を構築し、心身の健康を想像する」を理念に、スポーツ・アウドドア用品を中心としたEC事業を展開。キャンプ用品等の自社ブランドも数多く展開。(※ 2022年3月1日より株式会社eSPORTSは、株式会社YOCABITOに商号変更)
セッションを終えて
フューチャー株式会社 取締役 兼 フューチャー経済・金融研究所 所長 山岡 浩巳
登壇者の皆様の力強いメッセージを心強く感じました。 GAFAM など米国発の世界トップ企業は、首都ワシントンや大都市ニューヨークに本拠を構えていません。デジタル化の時代、地理的場所と情報優位との相関は希薄になる一方、生活環境などの重要性は高まっています。米国西海岸に住んでいた頃、現地の人びとが、自分たちが「地方」にいるとの意識をまったく持たず、世界に直接向き合っていたことは印象的でした。登壇者の方々もまさに世界を直接見て、事業を導いています。「地域創生」「地方創生」から「地域」や「地方」という言葉が消えたとき、日本は真に進化するのではないでしょうか。
山岡 浩巳 プロフィール
東京大学法学部卒業後、日本銀行入行。同行新潟支店やパリ事務所での勤務、国際通貨基金日本理事代理、日本銀行金融市場局長、同決済機構局長などを経て、2019年より現職。民間企業により構成される「デジタル通貨フォーラム」座長や東京都チーフ国際金融フェローなども務める。
開催概要
日時:2022年2月4日15:00~16:40
形式:オンライン
参加人数:180名
主催:フューチャー イノベーション フォーラム
後援:株式会社時事通信社
FIFについて
FIFは、「イノベーションで人と社会を豊かに」という理念のもと、企業が互いに協力しながら広く社会の発展に貢献し、変革をもたらしていくことを目指して、2006年1月に設立した社会貢献団体です。設立以来、経営層や次世代リーダーの皆様が共通のビジネス課題を議論しイノベーションの活路を見出す場や、子どもたちが社会との接点をもち課題解決を実践する場と最新テクノロジーに触れるコンピューティング教育の場を提供しています。学校や企業をはじめあらゆる団体と協力・連携し、組織の枠組みを越えて広くつながるオープンイノベーション型の活動に継続して取り組んでおり、これまでに7,000名を超える方々に参画いただいています。