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【愛知県大府市】日本のバイオリン王・鈴木政吉が研究に没頭したまちで全国的にも珍しい事業がスタート

2022.03.28 10:00

「バイオリンの里」構想の実現へ。小学校でバイオリン体験授業!戦禍を逃れた胸像が76年ぶりに大府に帰還

2022年3月28日
愛知県大府市


愛知県大府市は、全国的にも珍しい取り組みとして、「日本のバイオリン王」と呼ばれた鈴木政吉(1859-1944)が描いた「バイオリンの里」構想の実現に向け、令和4(2022)年度から小学校の授業でバイオリンの演奏体験などを盛り込むなど、バイオリン関連の新事業を多数実施します。
鈴木政吉は、初の国産バイオリンを製造した人物で、日本を代表する弦楽器メーカーの鈴木バイオリン製造株式会社(本社:愛知県大府市桃山町2-23-1)を創業しました。昭和10年に大府分工場を新設し、分工場の隣に建てられた済韻研究所でバイオリンの研究に没頭しました。政吉の功績を称えて大府分工場に建立された胸像は、戦火を逃れるために各地を転々とした後、鈴木バイオリン製造株式会社から大府市に寄贈され、76年ぶりに大府の地に帰ってきました。現在、胸像は市内の愛三文化会館に設置されています。
また、大府市出身で世界的バイオリニスト・竹澤恭子さんや「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト」の元メンバーの水野紗希さんは、幼少期に政吉の三男・鎮一が創始した音楽教育法「スズキ・メソード」でバイオリンを学んでおり、大府と鈴木バイオリン製造株式会社とは深い縁で結ばれています。
令和3年4月、鈴木バイオリン製造株式会社は本社工房を大府市に移転しました。大府市は、政吉が描いた「バイオリンの里」構想を実現するため、子どもから大人までがバイオリンを身近に感じられる事業に取り組んでまいります。

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1.「バイオリンの里」構想の実現を目指した今後の予定事業
大府市は、令和4(2022)年度に、子どもから大人までがバイオリンを身近に感じられるよう、次の事業を実施する予定です。
・市内小学校でバイオリニストの水野紗希さんのバイオリンコンサートの開催や、大府市立北山小学校4年生を対象に40丁のバイオリンを整備し、バイオリンを使った音楽教育を試行的に実施
・全ての市内公立保育園におけるバイオリンの紹介・ミニ演奏会の実施
・大府みどり公園クラシックコンサートの開催
・バイオリンなどの弦楽器による野外音楽フェスティバルの開催
・鈴木バイオリン製造本社工場見学会の開催
・鈴木政吉宛てのアインシュタインからの手紙複製品作成、展示

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2.日本のバイオリン王・鈴木政吉の胸像の概要
鈴木政吉の功績をたたえて、昭和15(1940)年に胸像が建立され、当初は、大府の横根町の分工場内にあり、その後、名古屋市内の当時の本社工場へ移されました。また、胸像は、戦時下の金属類回収令から逃れながら、令和3(2021)年4月24日(土)に本社が大府市に戻ったのをきっかけに、令和3(2021)年8月8日(日)に鈴木バイオリン株式会社から大府市(愛三文化会館(大府市明成町1-330))に寄贈されました。

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3.これまでのバイオリンに関する主な事業
・バイオリニストの水野紗希さんが大府市公式イメージ曲「HABATAKI」「FUN!OBU」の2曲を作曲し、完成披露コンサートを開催(令和元(2019)年11月)
・バイオリニストの竹澤恭子さんによる市内の中学生を対象とした学校訪問コンサートを平成18(2006)年度から3年に1回開催(令和3(2021)年6月で6回目の開催)
・竹澤恭子さんに大府市民栄誉賞を授与(令和3(2021)年7月)。レスリングの吉田沙保里さんに次ぐ2人目の受賞。

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4.大府と鈴木バイオリンの関わり
鈴木政吉は、明治20(1887)年に鈴木バイオリン製造を名古屋に創業し、大正時代には世界的楽器メーカーへと成長させました。しかし、世界恐慌の影響を受け、昭和8(1933)年に和議破産となり、会社再建には長男・梅雄が奔走しました。梅雄はドイツの楽器生産の村「マルクノイキルヘン」に倣い、大府の横根町に鈴木バイオリン製造の分工場を新設しました。分工場の隣には、政吉がバイオリンの音色の研究をするための済韻研究所も建てられ、政吉は、昭和19(1944)年に84歳で生涯を閉じました。
政吉が製造したバイオリンは、国内外の博覧会で数々の賞を受賞しています。物理学者アインシュタインにも贈呈され、本人から政吉に礼状が送られた記録も残っています。
鈴木バイオリン製造株式会社は、大府市へ本社を移転するための費用をクラウドファンディングで調達したところ、目標額の500万円を大幅に超える約790万円の支援をいただき、令和3(2021)年4月24日(土)に名古屋市から大府市へ本社を移転しました。移転後には、新社屋のスペースにスズキ・メソードの教室が入ったり、楽器職人を大府市内の学校へ派遣したり、工房見学を受け入れたりと、バイオリンの裾野を広げる活動を実施しています。

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