日本初の心電計付き上腕式血圧計を用いた「脳・心血管疾患の予防啓発事業」開始。
調剤薬局と連携した⼼電図による受診勧奨モデルで 脳・心血管疾患の早期発見、予防を目指す。
オムロン ヘルスケア株式会社 (本社:京都府向日市、代表取締役社長:荻野 勲、以下、当社)は、不整脈の一種である心房細動の早期発見・治療介入を目的とした「オムロン 心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800T」を3月22日(火)より日本国内で発売開始します。また、調剤薬局およびドラッグストア法人との連携による脳・心血管疾患の予防啓発事業を立ち上げ、心房細動の早期発見を目指します。新たな機器とビジネスモデルの展開により、当社の循環器事業ビジョンである「脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」を実現していきます。
世界で死亡者数が最も多い疾患は、脳卒中や心不全などの循環器疾患です(図1)。脳卒中や心不全を発症すると死に至るリスクがあり、一命をとりとめても重い後遺症が残る可能性があります。また、日本国内における血圧平均値は下降傾向にある一方で、心疾患による死亡者数は増加しています(図2、3)。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O3-bhQd1lxX】 図1 2017年疾患別死亡者数(グローバル) 出典:Global Burden of Disease Collaborative Network 2018.(予測値は2018年までのトレンドに基づき自社で算出)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O4-KKek5NKC】 図2:血圧値の変化(国内) 図3:病死者数の推移(国内)
脳・心血管疾患を引き起こす要因は、生活習慣病や高血圧など様々です。中でも重度の脳梗塞である心原性脳塞栓症の要因と言われているのが心房細動です。心房細動とは、心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる不整脈の一種で、心房が痙攣したように細かく震え、血液をうまく全身に送り出せなくなる病気です(図4)。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O5-19s0lFf4】 図4 心房細動が起きる仕組み
心房細動を発症すると血栓ができやすくなり、その血栓が血流によって脳に運ばれ血管を塞ぎ脳梗塞発症に至ります。心房細動の人はそうでない人に比べ脳梗塞発症のリスクが約5倍高くなるというデータも確認されており、見過ごせない症状であることがわかります(図5,6)。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O6-2sb8fz7N】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O7-20iSClvO】
図5 心房細動と脳梗塞(心原性脳塞栓症) 図6 脳梗塞発症リスク*1
心房細動は早期発見と治療介入により高い効果を期待できますが、自覚症状が無く見過ごされやすいため、人間ドッグや健康診断で確認できない場合もあります。また、加齢や肥満、高血圧などにより心房細動が引き起こされることもわかっています。中でも、心房細動患者の50~60%は高血圧であるというデータや、高血圧患者の10~20%は心房細動を有するというデータがあり*2、高血圧との相関性が高いことがわかります。
*1 1000例・2年あたりの発症例(年齢で補正)P A Wolf, et. Al. Stroke. 1991;22:983-988
*2 Y. Yotov, Journal of Hypertension Vol 34, September 2016, e204 .
オムロンヘルスケアは、脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)を循環器事業ビジョンに掲げ、家庭での血圧測定や遠隔診療サービスのグローバル展開を進めてきました。
今回発売する心電計付き上腕式血圧計は、高血圧患者が家庭で血圧を測定する際に心電図も一緒に記録できます。心電図解析は専門性を要しますが、心電計付き上腕式血圧計で記録した心電図は専用アプリ「OMRON connect」で分析し、心房細動の可能性をメッセージで知らせます。アプリで記録したデータはPDF変換によりメール添付や出力することができ、通院時の医師との共有に活用できます。
この度、より多くの高血圧患者の心房細動リスクを早期に発見するため、新たなビジネスモデル「脳・心血管疾患の予防啓発事業」の立ち上げにも挑戦します。一般社団法人スマートヘルスケア協会とのパートナーシップのもと、地域の生活者が一般医薬品の購入や定期通院時の処方箋調剤のために立ち寄る調剤薬局やドラッグストアで、心電計付き上腕式血圧計とチェックシートを活用した「心電図による受診勧奨モデル」を展開します。薬剤師が、来局者に脳卒中や心房細動の理解促進を目的とした啓発活動を行います。さらに、本人の希望に基づいてチェックシートを用いた心房細動リスクの確認と心電計付き上腕式血圧計による心電図記録を促します。薬剤師は心電図とチェックシートの結果から必要に応じて一般的な疾病説明と受診勧奨を行い、かかりつけの医療機関や地域の専門医療機関を案内します。
これらの取り組みを通じて、脳・心血管疾患を早期に発見する機会を増やし、治療介入を進め、イベント発症を未然に防ぐことで、一人ひとりの健康ですこやかな生活に貢献していきます。
■心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800T 概要
主な特長
・血圧測定と一緒に心電図を記録
・スマートフォンアプリ「OMRON connect」で心電図波形を解析、心房細動の可能性をお知らせ
・記録結果を保存、PDF 等への結果出力も可能
・「体動お知らせ」「カフぴったり巻きチェック」で正確測定をサポート
年間販売目標:2,500台(国内)
*本製品は医師や医療関係者の指示により購入できる特定保守管理医療機器です
*医療機器認証番号:30400BZX00028000
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O8-G3Xni23M】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O9-9iPx4Xqp】
■スマートフォンアプリ「OMRON connect」画面
・心電図記録中
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O10-c75hbhdD】
・心電図記録後
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O11-5382SH8m】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O12-9DHp4pR0】
■「⼼電図による受診勧奨モデル」概要
地域の生活者が処方箋調剤などの目的で利用する調剤薬局やドラッグストアと連携し、心房細動の疾病啓発や早期発見の機会創出を目的とした取り組みです。
心電図記録を希望した方のうち、年齢や生活習慣、既往歴などから心房細動を発症する可能性が高いと思われる場合は、リスクチェック行い、店頭に設置された心電計付き上腕式血圧計で心電図を記録します。チェックシートおよび心電図記録、解析メッセージから心房細動の可能性を確認した場合は薬剤師が受診勧奨を行い、必要に応じて本人の同意の元、トレーシングレポートも作成します。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O13-H37VS07T】
■オムロン新長期ビジョン「SF2030」について
オムロングループは新長期ビジョン“Shaping the Future 2030”を策定し2022年3月に発表しました。その中でオムロン ヘルスケアは「“Going for ZERO”~予防医療で世界を健康に~」をビジョンに掲げ、脳・心血管疾患イベントゼロ、呼吸疾患増悪ゼロ、慢性痛による日常活動制限ゼロに取り組みます。今後も新たなバイタルデータをセンシングする機器開発や、よりよい治療をサポートするサービス開発、それらを社会システムに浸透させるビジネスモデル展開を進め、ビジョンを実現していきます。
■オムロンヘルスケアの新長期ビジョンSF2030動画
世界中で“Going for ZERO”が実現した社会や人々の暮らしを描きました。
動画URL:https://youtu.be/6cv9Le-6c0I
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O14-lMpyFQ2g】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203188847-O15-rBgT5mqp】
4月1日よりオムロンヘルスケア公式サイト内に「SF2030」特別ページを公開予定。https://www.healthcare.omron.co.jp
■心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800Tの主な仕様
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M000242/202203188847/_prw_PT1fl_punM26wl.png】