鳥取の黒歴史「島根に併合されたことがある」...県はその屈辱を忘れていないらしい

2015年9月10日 06:00

日本一人口の少ない鳥取県は、推定人口が57万471人しかいない(2015年8月1日現在)。前月と比べ148人の減少だ。このペースでいけば年内に57万人を割り込むのは確実と見られる。
お隣の島根県も似たような状況で、同時期の推定人口は69万2368人、前月比で185人減った。

「いっそのこと、合県しちゃえば?」という声は根強くあり、それを予感させる出来事も今年7月に起きた。参議院の選挙格差を是正するため、鳥取と島根が「合区」――1つの選挙区になることが決まったのだ。来年の参議院選挙から実施される。

鳥取と島根が1つの県になるなんて...ありえません!

実は明治時代、両県は「島根」という1つの県だった。1876~1881年のたった5年間で終わったが、屈辱の歴史を鳥取人は決して忘れない。

明治時代の一時期、鳥取と島根は「島根県」という1つの自治体だった(歴史小冊子「鳥取県ができるまで」より)
明治時代の一時期、鳥取と島根は「島根県」という1つの自治体だった(歴史小冊子「鳥取県ができるまで」より)

9月12日の「とっとり県民の日」はそのことを思い起こす一日だ。西日本のなかには県民の日を設けないところもあるなか、鳥取人は愛県心を養う。今年7月に発行された歴史小冊子「鳥取県ができるまで」に、併合の歴史が丁寧に解説されている。
「もう130年以上前のことじゃない。今さら...」と他県民は言いたくなるが、併合期の苦難が細かく記されている。

「役所や学校に勤めていた人は県庁の置かれた松江に移ることが多かったので、鳥取は政治や経済の発展から取り残されていきました」
「鳥取から松江に行くのに3日も4日もかかることもあったようです」

苦しい生活となる原因の1つは、島根県に併合されているから――。そう考えた士族たちは、鳥取県の再置を要求する。大きな勢力は「愛護会」「共斃社」(きょうへいしゃ)という結社で、とくに共斃社は暴力的活動を行い、鳥取を一種の社会不安に陥れたという。

こうした動きを見た島根県知事が「両地域は分けた方がいい」と国に願い出た。現地をまわった権力者・山県有朋の報告書が決め手となり、鳥取県は再置される。 併合に無理があったのは言うまでもないが、あえて実行された理由について、小冊子は次のような説を上げる。

「鳥取県がなぜ島根県に併合されたのか、はっきりした理由は分かっていません。ただ、当時の明治政府には、江戸時代に石高が大きかった藩や幕末に勢力を伸ばした藩を取り除くという方針がありました。ちなみに、鳥取藩は32万石で、全国で13番目の石高でした」

マイナー県だから一つのまとめられたのではなく、大きな勢力だったため目をつけられた――という主張だ。
このほか、兵庫県の一部が鳥取の領土(飛び地)だったことや、現在の島根県隠岐地方も鳥取の管轄だったことも触れている。「俺たちはもっと大きかったが、明治政府によってそぎ落とされた」とでも言いたげに――。

「播磨国の一部を含む鳥取県」(リーフレットより)
「播磨国の一部を含む鳥取県」(リーフレットより)
「隠岐国を含む鳥取県」(リーフレットより)
「隠岐国を含む鳥取県」(リーフレットより)

漫画リーフレット「ともに創ろう私たちの郷土 ~9月12日 とっとり県民の日~」にも併合エピソードが描かれている。

漫画リーフレット「ともに創ろう私たちの郷土 ~9月12日 とっとり県民の日~」裏面
漫画リーフレット「ともに創ろう私たちの郷土 ~9月12日 とっとり県民の日~」裏面

県の未来づくり推進局は、次のように独立路線の死守を呼びかける。

「鳥取県再置に努力された方たちのことを思い、力を合わせて自信とほこりを持てる鳥取県を築いていきましょう」

もちろん、県民の日のお楽しみがないわけではない。
正直、無料開放・利用料割引となるアミューズメント施設はそれほど多くないが、県営鳥取屋内プールやコカコーラウエストスポーツパークなどは9月12・13日に無料開放される。また、鳥取砂丘こどもの国と青山剛昌ふるさと館は12日に入館料が割引される。
さらに鳥取北や日吉津のイオンモールでも各種イベントが開催される。

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