新幹線乗り場から急に走り出した兄弟 エスカレーターを下り、反対ホームの私をめがけてやって来る(青森県・50代男性)
「新幹線の乗り場はこっちでいいですか?」
差し出された切符を見ると、行先は反対ホームだった。私に声をかけてきた兄とその弟は、無事に向かいの乗り場に行ったのだが突如、こちらに走って戻ってこようとしている――。
青森県在住の50代(投稿時)男性・Sさんの思い出。
<Sさんからのおたより>
仙台で学生していた頃の話です。
夏休みで、青森の実家へ帰省しようと仙台駅の新幹線のホームへ行きました。
ホームでマンガを立ち読みしていると、幼い兄弟がキョロキョロとこちらに向かって歩いてきました。ぱっと見、お兄ちゃんは小学校1年生ぐらい。弟くんは3~5歳ぐらい。2人とも大きなリュックに水筒をぶら下げていました。
切符を見せられて
お兄ちゃんは、しっかりと弟の手をにぎり、ゆっくりこっちに歩いて来て、
「ここへ行きたいんですけど、新幹線の乗り場はこっちでいいですか?」
と切符を私に見せて尋ねました。
切符は那須塩原までのもの。
私は盛岡方面だったので、兄弟が乗りたい新幹線は反対側のホームです。
「そっか。向こうのホームだね」と指を指したけど、時間に余裕もあったので、どうせなら号車乗り口まで案内しようと思い、「ついてきて」と反対側のホームへ向かいました。
「どうしたの?」と尋ねたら
その間の少しの会話から、仙台駅までママが送ってくれたこと、ママは仕事があるからすぐ帰ったこと、那須塩原のおばあちゃんの家まで兄弟2人で行くこと、不安になったら制服を着た駅員さんに尋ねるようママの教えがあったこと、那須塩原のホームにはおばあちゃんが迎えに来ること、を教えてくれました。
那須塩原へ向かう新幹線のホーム、号車乗り口まで来て「じゃあ気をつけて行くんだよ」と手を振り、また盛岡方面のホームへ戻りました。
反対ホームの兄弟が気になり、様子を目で追いかけていると、兄弟が急に走り出しエスカレーターを下りていく様子が。
さっきの兄弟が、また私の前まで走ってきました。
「どうしたの?」
と尋ねたら
「ありがとうございました」
と缶ジュースを1本私に届けてくれたのです。お礼が言いたかったらしいです。
あれから数十年、夏が来るたび思い出します。心がほっこりの思い出です。
あなたの「やさしい思い出」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」「親切自慢エピソード」「親切目撃談」などを募集している。
読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)